2010年2月6日(土)から2月23日(火)にかけて当会館美術館にて、新春展「春のたより~山東省凧の世界展」を開催した。本展では中国凧最大の産地、山東省濰坊(いぼう)の凧約120点を展示、共催団体の山東省済南市文化局の御尽力により、今展のために濰坊市楊家埠(ようかふ)の凧工房にて様々な種類の凧を制作していただいた。 鷹、蝶、燕など伝統的な形の凧をはじめ、濰坊凧の代表で長さ30mに及ぶ「龍頭ムカデ連凧」、干支にちなんだ超大型虎凧などを展示し、中国の春節(2月14日、旧正月のこと)がちょうど会期中であったため、会場内には提灯や対聯などの春節の飾り付けもされ、明るくにぎやかな展覧会となった。 開幕式・内覧会 2月5日(金)には開幕式・内覧会が行われ、共催の済南市文化局代表団や特別協力をいただいた日本の凧の会会長ほか多くの来賓が出席、内覧会では制作実演が行われ、来日したふたりの凧職人の職人技に魅了された。この日、中国文化部李洪峰副部長、外聯局李鴻副局長が表敬来館され、展覧会も参観さ れた。 凧揚げイベント 2月6日(土)には横浜海の公園にて凧揚げイベントを実施し、谷野会長代行、村上理事長をはじめ後楽会会員、後楽寮生、一般客ら約100名が集まり、凧職人の指導のもと中国の凧揚げを体験した。難しいと思われた30mの龍頭ムカデ凧も強乱風の中見事に揚がり、参加者からは歓声が上がった。また日本の凧の会会員も集まって、大空での日中凧の競演となった。 凧は消耗品の玩具と思われがちだが、今展で中国が誇る民間工芸のひとつであることを日本の来場者に認識してもらうことができ、興味を持ってもらえたことは大きな成果だった。今後も様々な民間工芸を通して日中文化交流促進に尽力していきたい。 (文化事業部)