公益財団法人 日中友好会館 JAPAN-CHINA FRIENDSHIP CENTER
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総合交流部
 

2006年中国高校生訪日団第5陣が来日 北陸、四国、九州の40余校で交流

 
  2007 年3 月13 日、13 時05 分、晴天のなか247 名の中国高校生訪日団第5陣(総団長は張益群・教育部国家教育行政学院副院長)を乗せた中国国際航空公司の飛行機が成田空港に着陸、「日中21 世紀交流事業」2006 年度最後の仕事がスタートした。
今回の訪日団に参加したのは、北京、上海、天津各市のほか、吉林、江西、雲南、山東、安徽、河北、海南の7 省、そして広西壮族自治区と内蒙古自治区。一行はA コース150 名、B コース97 名の2 団に分かれた。

A コースは東京、北陸3県を訪問するコースと、東京、四国、関西をめぐるコースに分かれて最後に名古屋で合流、3 月21 日中部国際空港から帰国した。また、B コースは首都圏、九州を訪問するコース。後半に長崎と鹿児島の2 県に分かれて、最後に福岡空港から帰国した。滞在中、合計40 余校において学校交流とホームステイを含む高校生交流が多彩な内容で行われ、それぞれの地域の歴史、文化、科学技術の参観などを行った。

安倍総理夫人の来賓参加で高まった友好ムード
来日2 日目の外務省表敬では、高島肇久外務省参与をはじめ田尻和宏中国課地域調整官等が会見、高島参与は「テレビジャーナリスト、国連勤務、外務省スポークスマンとして中国と関わってきた私としては、今回中国から大勢の皆様が訪日されて大変嬉しい。先般、安倍総理がフィリピンのセブ島で、胡主席と会談し、07 年より東アジアサミット参加国から高校生6,000 名を招聘したいとの話をされた。2006 年度に皆様を含めて1,100 名を受け入れた経験が成功したことを前提に、これをさらに東アジア全体に広めたいとの考えである。これから、北陸、四国、九州などを訪問されるが、各地にはそれぞれの文化があるので、よく日本各地を見ていただき、各地で友人をつくってほしい」と歓迎の言葉を述べた。

張団長は日本の招聘に感謝を述べたあと、「日本には礼儀正しさや笑顔を絶やさないなど中国が学ぶべき点が多い。北京で開催された文化・スポーツ交流年の開幕式の席上で浅野副大臣も出席され、日中両国が仲良くしていこうということを強調された。この場においても、日中双方がぜひとも友好のために協力していくということを確認したい」と訪日団を代表して07 年が友好発展の年であるように、自分たちの訪日がそのために貢献できればとの気持ちを表明した。訪日団生徒を代表して、江西省から参加した蒋園さんは「長い間日本の伝統文化に憧れていた。私の夢は日中両国の青少年が兄弟のようにともに助け合っていくこと。今回の訪日が夢の実現に近づくことを願っている」と挨拶した。

当財団主催で開催された午後のセミナーは、新日中21 世紀交流委員会委員で、NHK専門委員の園田矢氏を講師に「日中友好関係が国際社会に果たす役割」と題して行われた。園田講師は異文化理解の視点から、「日中間に求められているものは大規模な大衆レベルの交流による相互理解である。百聞は一見に如かずというが、『学而不思則、思而不学則殆』とも孔子がいっている。中国高校生には今回の訪日を通じて日本をよく参観して日中関係を考察してほしい」と要望した。

引続いて歓迎レセプションに移り、林義郎当財団会長、関口昌一外務政務官、池坊保子文部科学副大臣、孔鉉佑中国駐日公使、李東翔公使参事官など約50 名の日中双方の来賓が参加して盛大に行われた。特に安倍昭恵総理夫人が来賓として参加され、乾杯の挨拶をすると高校生から盛大な拍手が沸いた。そのあと会場のあちこちで訪日した高校生は昭恵夫人を取り巻き、しばし歓談にふける場面があって、会場は友好ムード一色に包まれた。

A コースは3 コースに分かれて
A コースは福井、石川コースと福井、富山コース、徳島、奈良コースに分かれた。高校生たちは、福井県あわら市で県立5 校に分かれて学校訪問、ホームステイをしたあと、石川県立5 校、富山県立1 校で交流した。また、徳島県立5 校、奈良県立5 校で交流し、それぞれホームステイをした。

あわら市は関西の奥座敷といわれる温泉地。中国浙江省紹興市との交流に力をいれている。魯迅の恩師藤野厳九郎氏の故郷であることが縁の友好提携である。100 名もの中国高校生の訪問を市を挙げて歓迎、松木幹夫市長主催で西藤福井県教育長、市村敬二あわら市教育長をはじめ、訪問校の関係者と斉藤五郎右エ門あわら市日中友好協会会長などが出席して賑やかに歓迎会が開かれた。訪日団一行は、日本旅館の名湯を楽しみ、藤野厳九郎記念館の参観や240 度の日本海が見渡せる東尋坊の絶壁に立って風景を堪能していた。
石川県では県庁のオリエンテーションに山口裕啓県参事・観光交流局長、金田清県教育委員会次長などが出席して行われ、兼六園や武家屋敷跡など、加賀百万石の城下町金沢の文化財を参観した。石川県は江蘇省との交流が盛ん。中国ビジネス科のある金沢商業高校などは、直行便のある上海に全員が修学旅行するほか、上海進出の日系企業でインターンシップをする研修旅行などを実施している。
富山県庁のオリエンテーションには、東野宗朗教育長らが出席、株式会社生産技術の環境技術や相倉の合掌集落などを参観した。富山は遼寧省との交流が盛ん。県立高校には大連や瀋陽から日本語専攻の高校生が1年間の留学をしている。徳島県では、阿波踊りや藍染などの伝統芸能を体験学習、鳴門の渦潮を参観した。
奈良では、矢和多忠一教育長などの出席を得、県オリエンテーションを開催、一行は、東大寺、唐招提寺、法隆寺などの参観で早春の古都を楽しんだ。学校訪問は、両県とも手際のよい丁寧な対応を受け、生徒同士の交流は円滑に行われた。

B コースは2 コースに分かれて
B コースは栃木県と長崎県で学校交流を行うコースと、東京都と鹿児島県で交流を行うコースとに分かれ、それぞれの訪問先の学校で交流活動とホームステイ、及び合宿を実施した。東京都での高校生交流は、私立高校9 校のご協力により、ホームステイや合宿を含めた交流を実施、栃木県では県庁でのオリエンテーションのほか、県立高校2 校と私立高校1 校で交流を行った。

長崎県と鹿児島県では、両県とも教育長がオリエンテーションに対応して頂き、長崎県は横田修一郎教育長が、鹿児島県は岡積常治教育長がそれぞれ県を代表して歓迎の言葉と青少年交流に対する期待を表明された。横田教育長からは、長崎県下で中国への修学旅行や中国語教育を積極的に推進しており、教育長自身も10 回に及ぶ訪中経験があるほか、昨年は高校生を連れて上海外国語大学を訪問され、中国との青少年交流を盛んに行っている旨の紹介があった。岡積教育長は、鹿児島県は中国とは歴史的にも古くから親しく往来があったと述べられると共に、県勢についても簡単に紹介された。また幾つかの事例を挙げられ、鹿児島県が伝統的に教育熱心な県であることを説明された。最後に「皆さんとの友情が今後の両国の相互理解と信頼関係をいっそう深める大きな架け橋になるものと信じています。」と締め括られ、歓迎式は歓迎ムードのなか整然と執り行われた。

鹿児島県では県立鶴丸高校1 校に50 名が訪問し、周到に準備された交流プログラムは、短い時間ながらもお茶会・相互学習・授業参加と盛り沢山に行われた。高校生全員がホームステイも体験することが出来て充実した交流となった。
栃木県では世界遺産に登録されている日光を参観。長崎県ではグラバー園や出島、孔子廟中国歴史博物館等の代表的参観地を巡ったほか、長崎原爆資料館や雲仙の大野木場砂防みらい館を参観し、過去に長崎県が被った戦争と自然の災禍を目の当たりにし、平和の尊さを再認識した。さらに長崎では介護老人福祉施設「牧島荘」を訪問。日本の介護福祉の現状と施設の運営について担当者から詳細な説明を受けると、高校生たちは真剣に耳を傾け、質疑応答でも積極的に質問をしていた。

2006 年から2007 年へ
本年は日中国交正常化35 周年の記念すべき年。当財団にとってはその魁ともいえる中国からの大勢の高校生訪日団を年明け早々に迎えたことになる。一行が来日した期間が、日本の学校の卒業式や修了式の時期で、学校交流にとっては難しい時期であったにもかかわらず、交流が実現できたこと、また、北陸地方ばかりでなく、全国的に寒気団が襲来し、ほころび始めた花も身を縮める寒さのなか、病人も出ずに全員元気で日程をこなして第5陣の交流が成功裏に終了できたことは、なによりも受け入れにご協力いただいた方々の並々ならぬご尽力の賜物と、深く感謝の意を表したい。2006 年度の「日中21 世紀交流事業」は、当初の予定通り、5 陣に亘る交流が完了したことをここにご報告し、引き続き、この経験を生かして、07 年度の新たな高校生交流へと挑戦、邁進していきたいものと考えている。関係各位には今後ともご支援とご協力を賜りたくお願い申し上げる次第である。 (総合交流部)
 
 
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