2008年度中国高校生訪日団第5陣が来日 Aコースは関東近郊と静岡、山形、新潟で交流
平成20 年度中国高校生訪日団第5陣 中国高校生の感想
日本を訪問して ●日本は中国と一衣帯水の国として、幼い頃からよく日本の名を耳にしていましたので、「日出づる国」という名は神秘的でずっと気になっていました。この古典美と現代美の両方を持ち合わせた国を訪れてからは、だんだんと日本は誰もが学ぶ価値のある「社会学校」とでもいうべき国だと思うようになりました。 ●池袋防災館では、地震国日本が防災に対して非常に力を入れていることが分かりました。地震が発生したときのために避難用品を準備し、子供のうちから防災意識を持たせ、また、万一地震に遭遇したら、まず頭を守り、それから机の下などの安全な場所を探すなど、という色々有益な知識を得て大変勉強になりました。 ●日本の人々と広く接してみて感じたのは、日本が限りある国土と資源でも世界的な発展を成し遂げたこと、日本が一流の環境保護技術を持ち、情報、金融、物流などの分野で世界のトップクラスに並んでいることは、日本人が学習に長け、クリエイティブで、勤勉で、向上心溢れる精神を持ち合わせているからだと思います。 ●私たちは山梨県の福祉プラザを訪問し、そこで80歳の老人の生活を模擬体験しました。足がとても不自由で、関節が曲がらず、杖をつかねばならない状態の体験でした。この状態では、お湯を沸かしに行くのさえ、とても困難です。お年寄りの大変さを身を持って体験したことで、これからはお年寄りにもっと気を配っていこうと思いました。 ●日本の街は清潔でチリホコリがありません。環境保護と自然との調和はとても浸透しています。どのビルの近くにも必ず緑があり、こんなに賑やかな国なのに落ち着いていて、自然の中で生活しているような安らぎを感じました。 ●舌を巻いたのは日本の先進技術でした。日本の清掃工場では整った設備と精密で正確な工程、厳格な措置がされていることがうかがえました。これも私の日本訪問の中で一筋の光明のように印象的でした。そして同時に、中国の科学技術の欠陥と遅れを感じました。 高校訪問・交流の感想 ●学校では、日本の高校生と一緒に授業に出て勉強しました。日本の高校生は私達が実践できるよう積極的に手をかしてくれ、先生方は熱心に解説してくれました。また、学校の設備や器材も見せて頂きました。中日双方の高校生が出し物を披露し、一緒に遊んだりゲームをしたりして楽しい時間を過ごせたと思います。日本の高校生の豊かな学習生活を体験できました。日本の高校のクラブ活動はとても多種多様で、中国の教育とは大きく違い、日本の高校生の身体能力は高く、私達と比べものにならない程で見習いたいと思いました。 ●私達が訪問した学校は農業高校だったので、学校の果樹園と農園に案内してくれました。果樹園にはリンゴや葡萄など、生徒達が植えた果物がたわわに実っていました。色つやも良く、素晴らしい出来でした。また、リンゴと葡萄の収穫体験をさせてもらいました。自分の手で果物をもいだのは生まれて初めてでしたし、収穫の楽しみを味わうことができました。 ●学校交流では、時間があっという間に経ってしまったと感じました。日本の学校は開放的で、しかもその開放的でリラックスした環境の下、高校生達はしっかりと学びを吸収していて、とても真面目に頑張って学習に取り組んでいました。彼らに比べると僕の方が自覚が足りないと感じました。 ●英語の授業、茶道部と箏曲部に参加しました。多分両国の事情が違うからでしょうが、日本の学校の様子は中国と随分違っていて、とても自由で、生徒の個性を引き出すことを大切にしていました。一方、中国の高校教育は大学受験に合格するための試験対策という面が強いです。今後、私達が努力して国の建設のために役立ち、現状を変えれば、未来にはこのような素質重視の教育を実現できると思います。 ホームステイの感想 ●私たちの夕食は手巻き寿司でした。ご飯の中に包むのは、サーモン、カツオ、イカ、エビと全部生ものでした。その生々しい魚の切り身を見ると、口にするのは本当に勇気がいりましたが、思い切って試してみると、とても美味しかったです。わさびと一緒に食べたので、私達4人は皆ツーンとした辛さに鼻をすすりました。 ●私がお邪魔した家庭はとても温かく仲の良い家族でした。私達がみんなで遊びに出掛けるときも、お母さんは分厚い辞書を携えていき、お父さんも自分の携帯の辞書機能で、私に伝えたいことを一生懸命調べてくれました。私をこんなに大切にしてくれたこと、一つ一つが私の心に永遠に刻まれました。 ●ホームステイの日、私達は一緒にトランプやおしゃべりをし、私が家族のみんなに中国語を教え、みんなが私に日本語を教えてくれました。一緒に楽しく遊べて嬉しかったです。また、ご馳走が並んだ夕食や沢山のプレゼントも用意して下さり、日本人の親切で温かい心を感じました。私はこれからもお父さんお母さん、家族の皆さんを懐かしく思い続けるでしょう。 ●今回の旅で一番感動したのはホームステイでした。親切で開放的な日本のお父さんお母さんが私の中にあった丁重すぎで、四角四面な日本人のイメージを変えてしまいました。夕食後、日本のお父さんお母さんはチャイナタウンに連れて行ってくれ、私達はお互いに中国、日本の文化を知ることができました。北京に帰ってからもみんなと連絡を取り合い、是非また会いたいと思います。 ●お姉さんと彼女のクラスメートが私を海に連れて行ってくれました。私達は一緒に砂浜に自分たちの名前を書いたり、冷たい海水に足を入れたりしました。その時、心から時が止まって欲しいと思いましたが、時はこの願いを聞き入れてくれず、しばらくするとサヨナラの時間が来てしまいました。お互いの涙を見ながら、胸には言いたい言葉があふれ、けれども、言葉にならないというお別れでした。 ●私たちはホームステイに行く前は、日本人の家庭でとても交流なんてできないのではとすごく不安でしたが、実際は私の想像と全く違うものでした。夕食後はみんなでおしゃべりに興じました。私はみんなに中国や北京のこと、終わったばかりのオリンピックのことを紹介しました。たった一夜の短い時間だったけど、真心を通わせ合うことができました。
これからの私たち ●日本は先進国なので、人々の生活レベル、生活習慣は中国と違います。僕たちは日本の現代文化をできるだけ理解し、そのエッセンスを手本にしなければ、と思います。そうして初めて僕らは進歩し、世界的な民族になれると思いました。 ●私達は新幹線に乗りました。中国の特急列車と比べものにならないほど速く、中国と日本のこの分野での距離を感じました。しかし、距離があることは、進歩の余地があるとも言えます。中国の若者が技術を学び国へ持ち帰ったら中国の鉄道の速度を上げ、経済発展の速度も更に速め、世界的地位の向上にも繋がると思います。 ●日本とは「学べる国」ということです。唐の時代、日本は中国に学びました。それから欧米に学びました。これは日本が発展した要因です。私は中国が更に飛躍し、大唐の最盛期のような素晴らしい時代がやってくるのを期待しています。 ●中日両国の人々が中日交流の大舞台、世界的発展の大舞台で、力を合わせ中日関係により素晴らしい明日をもたらしていけるよう心から願っています。また、私達中日双方の青少年が共に播いた友情の種はこれからいつまでも私達の人生と共にあることでしょう。私達は共に中日友好の種を未来につなぐべく更に播き続けていきたいと思います。
日本高校生の感想