平成21年度中国高校生訪日団第5陣が来日 千葉・京都・佐賀・徳島・熊本・宮崎・山口・福岡で交流
中国高校生の感想
日本の印象は? ・日本の道路はゴミひとつなく、街並みがとてもきれいでした。歩道がよく整備されていて、日本に1週間以上いたにも関わらず、靴が全く汚れていません。日本の水道水はそのまま飲めるということにも驚きました。 ・日本は緑が多く、空が青くてきれいでした。 ・日本人は“2つの節”、即ち「細節(中国語で緻密の意味)」と「礼節」という言葉で形容できると思います。仕事においても家庭においても、細かいところまで注意が行き届いており、礼儀をとても大切に考えているということがわかりました。
学校訪問・交流の感想 ・日本の高校生はとても友好的で、顔見知りであろうがなかろうが、中国語で「ニーハオ!」と挨拶をしてくれて嬉しかったです。 ・私たちは一緒に平等院へ行きました。言葉が上手く通じないところもあったけれど、日本の高校生は平等院の歴史や展示物について熱心に説明してくれました。彼らがとても親切に対応してくれたことを忘れることができません。 ・バスケットボール交流で、日本チームはストレッチ、パス、シュートはもちろん、一つひとつの動作に全力投球していて、素晴らしい技術力を持っていると感じました。彼らの速攻に追い付けず、正確なシュートにより点差をつけられたけれど、僕たちも調子がよく、大負けはしませんでした。今回はただバスケット交流をしただけでなく、日本人の何事にも全力投球するという精神を学びました。 ・学校交流が終わって出発するとき、雨が激しく降っていましたが、日本の高校生は私たちが濡れないように一列に並んで傘をさして見送ってくれ、その温かい心遣いにとても感動しました。 ホームステイの感想 ・言葉が通じないので、最初はとても不安でした。しかし、お父さんもお母さんもとても温かく迎えてくれ、意味がわからない時は、辞書で調べたり、絵を描いたりして、私がわかるまで丁寧に説明してくれました。・私は日本語が少しできますが、彼女もお母さんもずっと中国語を勉強しているとのことでした。中国語は特にそり舌音が難しいというので、二人に発音を教えてあげました。とても楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。 ・私たちは一緒に買い物に行き、プリクラを撮りました。家に帰ってからは将棋をしたり、雑誌を読んだりしました。家の人はとても親切で、私を温かく迎えて下さいました。今回、日本の一般家庭の生活を体験して、日本に対する印象が大きく変わり、日本のことが大好きになりました。 ・僕たちは日本の戦国時代や中国の地理についての話で盛り上がりました。お父さんもお母さんもとても親切で、外国にいることを忘れ、自分の家にいるような温かい気持ちになりました。 ・ホームステイ中、一番よく聞いた言葉は「大丈夫ですか?」でした。家の人は常に私のことを気にかけてくれ、わからないことがあって尋ねると、熱心に忍耐強く教えてくれました。 これからの私たち ・日本の環境保護への取り組みと活動は、私たちも見習うべきだと思います。ゴミの分別収集や汚水処理など、一連の処理工程が理路整然と行われていました。 ・短い間でしたが、一生忘れることのできない素晴らしい思い出ができました。帰国したら、日本で体験したこと、感じたことを家族や友人に話してあげようと思います。彼らの日本のイメージもきっと変わることでしょう。 ・日本の高校生との会話の中で、日中間の歴史問題や政治・外交問題の話になりましたが、私たちの意見に大きな隔たりはなく、みんな心から日中友好を願っているということがわかりました。
日本高校生の感想
・歓迎式典の質問の場面では千人近い本校の生徒の前でも臆することなく積極的に次々と手を挙げて質問に答えてくれたことがとても印象的でした。その積極性は体験学習の華道などの場面でも同様で、「これでいいかな?」「これどう思う?」など一生懸命に周りにアドバイスを求めながら作品をつくっている姿からも感じられました。一つでも多くのことを日本から吸収して帰ろうとする姿勢にとても驚かされました。 ・英単語、漢字での筆談、絵、ジェスチャーなどを使って、思いが伝わったとき、また相手の言っていることが分かったとき、とても嬉しく感じました。好きな芸能人の話は特に盛り上がり、日本の中高生の間で流行ったドラマや映画が中国の中高生にも人気だと知りました。とても短い時間でしたが良い思い出をありがとう。またいつか会えることを願っています。 ・僕が交流した中国の方は目を見てずっと話に耳を傾けてくれました。部活動が中国にはないので、弓道、茶道などとても熱心に見学していました。私の学校は自然に囲まれていて素晴らしい学校だと言ってくれ、こちらも嬉しい気持ちになりました。将来は通訳になりたいとか、日本で働きたいなど、日本にとても強い憧れ、希望をもっている人ばかりで、勉強熱心な人たちでした。 ・私とペアになった方は二人で廊下を歩いていると腕を組んできてくれました。廊下で出会った男の子は「Hello!」と声をかけてくれたうえに、握手の手を差し出してくれました。今回、この交流を終えて思ったことは、言葉なんて友達になるのには関係なくて、中国から日本は嫌われているんだというのは偏見であり、深くつながりあえるということです。 ・私は全然英語が話せないけど、相手は一生懸命私の目を見て、伝えようとしてくれました。だから私も相手に伝えたいという気持ちが強くなって、いつもより相手の目を見て話せたかなと思います。「話す」というのは、ただ言葉が通じ合っていればいいというのではなくて、言葉が通じなくても身振り手振りで話したり、伝えたいという意思が一番大切なのだと分かりました。もし中国や他の国に対して偏見の目をもっている人がいたら、実際にその国の人と交流してみるべきだと思います。そうしたら、言葉や文化の違いよりももっと大切なものがあることに気がつくのではないかと思います。 ・特技がピアノと聞いていたので、私と私の妹が一曲ずつ演奏すると、彼女もピアノを演奏してくれました。ジブリの曲なども弾いてくれ、そこから話を発展させることができました。家では他にも、姉と三人で雑誌を見ながら話をしたり、インターネットをしたりしました。日本の歌手やアニメなど、共通の話題が結構あり、私自身も楽しむことができました。 ・英語の得意な姉に頼り、ほとんど話すこともなかった自分だったけど、写真を撮るときはいつも肩を組んでくれて、歩くときはいつも隣を歩いてくれたことを僕は決して忘れないでしょう。別れのときは、何もしてやれなかった僕に何度も「ありがとう」と言ってくれて、僕は自然と涙が込み上げてきました。このホームステイで言葉の壁を乗り越えることは難しいけれど、人間同士の壁は乗り越えられると思いました。 ・お別れの時、泣きながら私のことを抱きしめて、日本語で「ありがとう」と繰り返し言ってくれて、私もいっぱい泣いてしまいました。「絶対もう一度日本に来ます」と言ってくれて、一日一緒に過ごせて良かったと思いました。これからも手紙などで連絡を取り合っていこうと思います。 ・中国の高校生と別れて家に帰ると、家の中が小さく静かで、空っぽになったような感じでした。一日くらいしか一緒にいなかったのに、こんなにも寂しくなるものかと思いました。僕はいつも父親とはあまり話さないのですが、父は英語が得意で色々助けてもらい、また家族と鳴門に行ったのも久しぶりで、コミュニケーションが出来てよかったです。本当に素晴らしく幸せな時間を与えて下さった中国の方々や高校の先生方、そして両親に対して感謝の気持ちでいっぱいです。 ・中国と日本は場所はすごく近いですが、過去の歴史上の問題もあり、私の中では日本と中国の関係とはあまり良くないのかなといった考えがありました。しかし、中国のみんなとの交流を通して、私の考え方は変わりました。私の家に滞在することになった方とは夜中の一時過ぎまで意見交換をしたり、お互いの大志を語り合ったりすることができました。生まれ育った環境や国籍、文化も違うのにお互いの意見をシェアすることができたことは、すごく貴重な経験でした。この経験を通して、私たち一人ひとりの繋がりを日本と中国の間のパイプとして、その数を少しずつでも増やしていくことこそが今後の日本と中国が友好的な関係を築き上げるための土台となってくるのではないかと思います。