公益財団法人 日中友好会館 JAPAN-CHINA FRIENDSHIP CENTER
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総合交流部
 

平成22年度中国高校生訪日団第6陣 参加者の感想文

 
  【中国高校生の感想
第1分団(埼玉/千葉/京都)
○学校交流では、一部おとなしい学生もいて、言葉も通じないことから、初めはちょっと難しいと感じることもあったが、基本的に楽しく過ごすことができた。日本の高校で見学した授業は、先生と学生が打ち解けていて、とてもリラックスした感じの楽しいものだった。先生や学生たちの親切さ、親しみやすさに感動した。また日本と中国の教育体制の違いを体験できた。ホームステイでは、家族がとても温かく私を迎えてくれた。夕食にはたくさんのごちそうが用意され、寝る前に布団まで敷いてくれて、まるで自分の家にいるようにリラックスできた。一緒に買い物をしたり、会話をしたり、夕食後は私がピアノを弾き、皆と一緒に歌を歌った。それから、私が買った雑誌をお父さんと一緒に眺めたりもした。プレゼント交換もした。充実していて楽しく、一生の思い出になった。今後、機会があれば是非日本に来て、またホストファミリーの家族と会いたい。
中国国内のメディアが中国人に紹介する日本は、ほんの一部に過ぎない。実際に体験してみないと、日本全体を正確に知ることはできない。日本人はとても親切、善良、素朴で、細やかな心を持ち、イマージネーション豊かな人々である。
また日本人は環境保護にとても力を入れている。買い物用のビニール袋はほとんどリサイクルされている。郊外も都会も緑豊かで、人と自然が調和している。これはまさに中国が努力すべきところだと感じた。(福建省2年女子)

○ホストファミリーのお父さん、お母さん、お兄さんが、私をとても温かく迎えてくれた。異国で家族の団欒を味わい、家庭の温かさを感じた。一番感動したことは、私を迎えるためにいろいろな準備をしてくれていたことである。夕食にはたくさんのごちそうを用意してくれた。全て一生忘れられない思い出である。
訪日プログラムで最も楽しかったのは、学校交流である。同年代の学生との交流は、この上なく楽しかった。言葉が通じなくても、交流の障害にはならなかった。心と心で通じ合うことができた。
学校では英語の授業に参加したり、学生たちが植えた菜園を見学し、そこでとれた果物を味わったりした。学生たちの科学研究の成果も見せてもらった。
ホームステイ先では、お兄さんと一緒にバスケットボールをしたり、ネットサーフィンをして、滞在中、最も楽しい夜を過ごした。
高校を訪問し、日本の教育について知ることができた。日本の学生たちがとてもうらやましい。授業はとてもリラックスしていて楽しそうな雰囲気で、放課後もたくさんの部活動がある。宿題も少ない。それに比べ私たちは、朝早くから夜遅くまで、どこまでも続く授業、宿題、テスト…疲れ果てている。
機会があり、また条件が整えば、是非日本に留学したい。この美しい国での生活を、是非また体験したい。(福建省3年男子)

○高校での交流は、まず日本の学生による学校案内からスタートした。学生の皆さんは今回私たちを迎えるにあたり、新しい英単語をたくさん覚えてくれたそうである。今回の交流をとても大切にしてくれていることがわかった。学生たちは皆、手に和英中電子辞書を持っていた。私の知る限り、この電子辞書はまだそれほど普及していないはずなので、皆同じものを持っているのを見て「もしかしたら私たちのためにわざわざ買ってくれたのかもしれない」と思った。今回のために大変な努力と準備をしてくれたんだなぁと感じた。
学校を離れる際、教頭先生が泣かれていた。先生は、学生たちが今回の交流を上手くやりとげることができるかどうかをとても心配していたらしく、無事終了することができて肩の荷が下りてホッとしたようだった。
私は日本語があまり話せず、英語も上手ではないので、交流できないのではと心配していた。しかし今回の学校交流とホームステイでは、日本の学生たちやホームステイのご両親の親切、そして交流したいという真摯な心を感じた。身振り手振りを使い、漢字を書き、絵を描いたりまでしてくれたのは全て、お互いを理解したいという思いからであり、その思いは言葉を用いなくても確かに伝わった。
そのほかに感じたことは、日本の環境のすばらしさである。日本は海に囲まれているだけでなく、環境保護に力を入れているからだろう。日本の空は青く、空気がとてもきれいだと感じた。これは日本に到着してすぐに、「自分が間違いなく故郷から遠く離れたところにいるのだ」と実感させてくれたことであった。日本の環境保護は、国民全員の努力の賜物だと思う。皆がまじめに環境の細かいところにまで気を配っているからこそ、環境が保たれている。宣伝や教育の力は、強制的な規則を作ることよりもはるかに勝ると、日本を見て感じた。一つの都市、あるいは国が、あることを確実にやり遂げたいと考えるならば、国民にそのやるべき理由をしっかり理解させることが大切であり、そうすれば半分の労力で倍の成果を上げることができ、社会的な調和も保たれると思う。
また、日本人の注意深さ、責任感の強さも感じた。代表として挙げられるのは、やはり日本側スタッフの皆さんの姿と、分刻みで細かく定められたスケジュールである。通訳やガイドさんたちは、「忘れ物はないか」「これからのスケジュールはわかっているか」など、日に何度も注意を促してくれた。私たちからの疑問や要求にも、力を尽くして応えてくれた。どの活動でも、スタッフの方々は早くから準備をしてくれており、私たちが通る道にも必ずスタッフが立っていてくれた。仕事に対しここまで気を配り責任を負うという姿勢に敬服した。誰もが自分の仕事に対してまじめに、きちんと責任を持ち協力しあえば、何事も順調にいくはずである。誰もが相手の立場に立って考えることができれば、仕事だけでなく、人と人の付き合いもよりスムーズに進むはずである。このような品格、態度を、私たちも学ぶべきだと思う。(河南省2年女子)

○今回のホームステイと学校交流の活動は、とても楽しかった。受け入れ先の先生、学生、ホームステイのご両親、皆とても温かく迎えてくれた。
学校では、日本の学生たちと一緒にいろいろな活動をした。バレーボールや卓球をし、習字、古文の授業を受け、日本の学生たちが授業を受ける風景も見学した。楽しい時間を過ごす中、日本文化の奥深さを知り、先生や学生たちの情熱を感じた。バレーボールでは、日本の学生たちのすばらしいプレーを見ることができた。彼女たちに比べ私はまだまだで、これからはもっとしっかり体を鍛え、いつの日かもう一度日本の学生たちとバレーの試合をし、是非勝ちたいと思った。
ホームステイ先の家族は、学生とそのお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、妹、お兄さんで、皆温かく私を迎えてくれた。冗談を言い、笑い合い、一緒に折り紙や切り紙をし、写真を撮り、とても楽しい時を過ごすことができた。別れの時は悲しくて、「帰りたくない!絶対帰らない!」と言いながら泣いてしまった。でもやはり帰らなければならない。日本の家族がとても恋しい。絶対にまた会いに行きたいと思っている。おばあさんが長生きできるように、そして日本の家族が、一生穏やかな生活が送れるように祈っている。
中国では、「ひざまずく」ことが最高の礼とされているが、ホームステイ先で最初にもらったプレゼントが、おばあさんのその「ひざまずく」姿だった。驚いて、次の瞬間、どうしたらいいのか訳がわからなくなってしまった。70歳を超えたおばあさんにそんなことをされた驚きのあまり、何も考える余裕がなく、思わず私もひざまずいたが、家に入る前だったので、本当にどうしていいのかわからず、門の外の石段のところでひざまずいた。膝は痛かったが、私は心の中に何か温かいものが流れるのを感じた。夕食後に分かったことだが、この日はおばあさんの、なんと71歳の誕生日だった。私は切り紙をプレゼントした。おばあさんは私に手作りの手毬と折り紙、お母さんはとてもきれいな箸をプレゼントしてくれた。お父さんからはたくさんのおいしいお煎餅、妹からは優しいキスをもらった。お兄さんは慣れない英語で冗談を言って私を笑わせ、おじいさんは一生懸命身振り手振りで楽しい話をしてくれた。日本の家族のみんなが大好きになった。是非また会いに行きたい。(北京市1年女子)

第2分団(京都/兵庫
○京都府の高校では、生物の実験に参加し、一緒に電気泳動現象の観察を行った。それからお互いの学校生活について語り合った。2日目は日本語の授業に参加した後、日本人学生に近くの神社を案内してもらった。日本の学校と特色ある神社、どちらも深く印象に残っている。
兵庫県の高校では、日本人学生と一緒に書道を習い、柔道と剣道を体験した。日本人学生は親切で、辛抱強く私たちを指導してくれた。
日本の家庭でも、とても楽しく過ごすことができた。ホームステイ先のご両親に、近くの紅葉スポットへ連れていってもらった。日本料理をごちそうになり、日本の景色や食文化など、できる限りの日本を体験させてもらった。また、中国と日本の食文化や景色などについても語り合った。ご両親は世界のたくさんの国に行ったことがあり、中国も北京、青島、上海に行ったことがあるそうだが、海南島にはまだ来たことがないとのことだったので、私は一生懸命海南島について紹介し、是非海南島に来てくださいと誘った。
今回、日本の皆さんは私たち中国の青少年をとても歓迎してくれた。日本人の生活レベルは、中国よりはるかに高いということをはっきり感じた。日本人は教養が高く、礼儀正しい。風邪を引いた人は自主的にマスクをし、歩いている人は道を譲りあい、運転手は歩行者を優先させる。最も印象深かったのは、私がバスの中で袋に入れたゴミを降りてからホテルのスタッフに渡したところ、そのスタッフは袋のゴミを分別してからゴミ箱に入れたことである。とても感動した。ホテルのスタッフたちのまじめな仕事態度に感動した。(海南省2年男子)

第3分団(高知/兵庫)
○日本家庭での滞在が最も楽しかった。皆さんとても温かく、確かに言葉が通じないことは不便だったが、一緒に過ごした時のことを思い返すと、どんな障害も問題にはならなかったと感じている。
ホストファミリーのお母さんは、私を一番安いというスーパーに連れていってくれた。私が「日本らしいものを記念にしたい」と選んでいるのを見て、スーパーで売っている日本らしい商品を全部持ってきて、選ばせてくれた。漫画を売っているところで、「ワンピース」の主人公ルフィが好きだと言うと、お母さんはルフィの付いたバンダナを記念に買ってくれた。感動することは本当に多かった。家族みんなが絶えず私に笑いかけ、別れの時も、その温かい笑顔に変わりはなかった。みんなの姿が私の視線から消えていき、ふいに「もうこの先再びこの人たちと会うことはできないかもしれない」と思うと、涙がこぼれてきた。今回感じたことはあまりに多く、一言二言では言い表せないが、感動で一杯である。
日本人、特にお年寄りはとても優しい。それにとてもかわいらしい。彼らの優しさこそが、私が異国にいても寂しさを感じずにいられた理由かもしれない
日本と中国の間にはいろいろと問題があるのは知っているが、日本は隣国であり、隣人である。お隣同士の喧嘩はよくあることだろう。今回の訪日を通じてたくさんのことを学んだ。感慨深いことが多々あった。日本人の礼儀正しさ、優しさ、温かさは、中国人の私を感動させてくれた。
全ての隔たりは愛によって縮まる。どんな軋轢も、愛によって消し去ることができ、末永い友好が続くのだと思う。(海南省1年女子)

第4分団(愛知/兵庫
○愛知県の高校では、まず教頭先生が日中関係について英語で講演してくれた。皆まじめに聞き入っていた。校長先生もとても優しい方で、私たちを英語の授業に参加させてくれた。授業は和やかな雰囲気で、中国事情についてもたくさん質問され、とても楽しく過ごすことができた。
兵庫県の学校で一番印象に残ったのは歓迎会である。歓迎会では、記念としてとても素敵なプレゼントをいただいた。ほかにクラブ活動に参加し、私は体操部に参加した。言葉は通じなかったけど、動作や表情で言いたいことはすぐに分かった。先生からたくさんの動作を教わり、とても楽しかった。
ホームステイでは、日本人の家で楽しく過ごした。始めは緊張して話がめちゃくちゃになってしまったが、皆が親切に接してくれたおかげで徐々にリラックスできた。夜は一緒にゲームをして遊び、漢字と日本語について話した。日本人の家族は、お客さんに対してとても親切にしてくれる。2日目は古都奈良に出かけた。とてもラッキーだと思った。今回の日程には奈良が入っていなかったので、すばらしい機会を得て感謝している。奈良ではいろいろなお寺を見学し、かわいい鹿にも出会い、記念写真もたくさん撮ることができた。とても楽しい1日だった。3日目は辛い日となった。日本の家族と別れなければならない時が来たのである。お父さんは私の手を握って、「体を大切にして、是非またおいで」と言ってくれた。
日本では、東京や名古屋などの都市を訪れ、日本の文化や学校生活について知り、理解を深めることができた。日本人は細やかで、サービスも熱心だった。英語を使ってコミュニケーションを取ろうとしていて、とても感動した。私たちを大事なお客様として扱い、常に私たちのためにいろいろと考えてくれたことに、とても感動した。(江蘇省1年女子)

【日本高校生の感想】

○「高校生たちの気持ち」
今回は日中の関係があまり良くない中での訪問だったので、中国の高校生は日本のことをどう思っているのか気になりました。でも、私たちと一緒に会話した人たちはとても積極的に話してくれて、しかも日本と中国は仲良くしなければならないと言ってくれてとてもうれしかったです。
何故こんなに子ども同士は仲良くできるのに国同士はそうならないのかとても不思議になりました。全く中国語が話せない私でもジェスチャーや英語でやりとりができてうれしかったです。これをきっかけにもっと中国に関心をもって中国語の勉強をしたいなと思いました。今回の交流はとても良いものだったと思います。また、できたらいいと思います。(埼玉県1年女子)

○「中国と一緒に」 
中国とは関係がいい時もあれば、正直言って悪い時もあると思います。でもそれはメディアによって大部分が編集されているということも、今回改めて感じました。日本のテレビでは、反日デモの行進がよく見られます。その度に日本人だって中国に対して敵意を抱いているでしょう。しかし私たちは未来を任せられている身です。このことは中国人も理解していると思います。だからこそ、今回このような交流会で日本に対して興味を持ってくれている子がたくさんいることを知り、反対に私も中国に対して興味が出てきました。大人の事情、たくさんあると思います。でもその氷を少しずつ解かしていくのが私たちの役目でしょう。将来もっと今より中国と良い友好関係が結べることを願っています。(埼玉県2年女子)

○「サンキュー Chinese!」
中国高校生訪問は私たちにとってとてもいい刺激になったし、予想以上に楽しむことができた。今、日中の間ではいろいろな問題があって、ニュースを見る限り、あまり中国に対するイメージは良くなかったし、言語とかも違うから、始まる前は正直不安だらけだった。しかし会ってみると、私の思っていたイメージとはまったく違った。お昼を一緒に食べた時は、お互い英語で質問しあったりした。ところどころ通じない時などもあったが、中国高校生たちはとても明るく接してくれた。また一緒に英語の授業を受けた時には、中国の高校生たちの英語力に驚いた。
彼らはいきなり自己紹介をすることになっても文句一つ言わず、思った文をすぐに英語にして言っていた。この授業で「英語がんばろう!」と、彼らからいい刺激をもらった。また放課後の交流会はかなり楽しむことができた。交流会では中国高校生たちの踊りを見たり、一緒に写真やお菓子を食べたりした。本当に短い時間だったけど、心を通じ合うことができた気がする。言語は違っても、分かり合うことってできるんだなと思ったし、たとえ日中の間で問題があって、テレビなど良いイメージを持たないことがあったとしても、別にそれがすべてではないと肌で感じることができた。私はこの中国高校生訪問に関わることができて本当に良かったと思う。また将来中国に行ってみたいなと思った。(千葉県1年女子)

○「日中関係」
私は今年6月に中国訪問団として中国を訪れました。
去年、中国の高校生を受け入れた時に比べると、習慣・マナーなど、異文化に触れてからの今回の受け入れにはいろいろな思いがありました。私が中国でホームステイした時、中国語が全くわからず、(*補足:ホストファミリーは)わかりやすい英語でゆっくり話してくれました。そして何よりうれしかったのは、常に笑顔で接してくれたことです。
私が前回受け入れた時、中国の高校生の英語力に圧倒され、一所懸命しゃべってくれているのに聞き取れない自分が嫌になりました。そんな私に笑顔でいる余裕などありませんでした。言葉も分からない、初めてくる日本でのホームステイを最高のものにしてあげたかったのに、私がもっと不安にさせてしまっていたと反省しました。そして今回笑顔でいることを目標にがんばりました。
笑顔でいれたかは分かりませんが、積極的にコミュニケーションをとることができました。そしてどうして日本に来ようと思ったのか?と質問すると「日本と中国の架け橋のためだ」と堂々と答えてくれました。
尖閣諸島・デモの問題などニュースをやっている今、中国に行き、何も知らない土地で「私は友好のためにここに来た」とはっきり言うことが今の私にできるかと考えさせられました。
今回、中国の生徒を受け入れ、たくさんのことを学ぶことができました。ありがとうございました。(京都府2年女子)

○「中国人との交流を通して」
ホームステイを受け入れたのはこれで3度目ですが、その度、その“国”をとても身近に感じることができます。今回、初めて中国人と近く触れ合う機会を通して、私の知らなかった中国人を知ることができました。日本・中国という、切っても切れない縁で結ばれたこの二カ国でお互いの文化、人格、思想を学び合う事は、例えそれが相入れないものであっても、相互を尊重するという最も基本なことにとても重要な役割を果たすということを、今回を通して感じ、気付くことができました。(京都府3年女子)

○「拍手」
「中国人が学校に来る。」学校中、この話題でもちきりだった。しかし、私は不安でいっぱいだった。英語は話せても中国語は話せないと。さらには先日発生した尖閣諸島問題で中国人の反日感情が増大しているからだ。この不安は中国人たちと交流を行うまでぬぐいさることはできなかった。
しかし、いざ交流が始まり、我校の会長の挨拶中に訪中する生徒の紹介があった(*補足:日本高校生訪中団第3陣として12月に訪中)。その時に中国人たちから拍手が起こった。この瞬間、私の不安はきれいになくなった。むしろ私は、何という恥ずかしい考えをしていたのだろうと反省した。
中国について全然知らない私にとって、訪日団の中国人と交流できたということは、中国について知る大きな機会となった。しかし、まだまだ知らないことはたくさんある。次回は私たちが訪中する。その時に、私は今まで知ることのなかった中国を目にしたいと心から思った。(兵庫県3年男子)

○「日本と中国」
はじめ中国から生徒が来ると聞いた時、大丈夫かな?と思いました。なぜなら今、日本と中国は少しもめているからです。でも中国の生徒から、日本人がすごく親切にしてくれていると聞いて、ほっとしました。
今、国と国の仲が悪くても私たちが友達になって仲良くなれば、将来国と国で協力し合い仲良くできると思います。
だからもっともっと交流をして、お互いの意見を尊重し合えるような関係を築けるようになりたいです。(兵庫県1年女子)

○「まだまだ」
最初ホームステイを受け入れる時に感じたのは、“中国人”という違和感だった。ニュースなどでよく見かける反日運動、領土問題、内容は多岐にわたります。そして我が高校に来校し、自分たちは歓迎会をやりました。そして放課後、自分のホームステイの人は男性でした。自分が中国語を嗜んでいた事もあり、会話はほとんどが中国語でした。日本語や英語がペラペラなんだろうとなと思っていたのですが、彼は「我会说一点儿(少し話せます)。」と言ったので、自分は自分の中国語を発揮することができる、とうれしい反面、不安な気持ちでした。
夜はお好み焼きを食べました。彼は「おいしいと」言ってくれたので、とてもうれしかったです。寝る時に、「歯は磨きましたか。」と聞くと、彼は「中国では私は歯を磨きません。」と言ったので、とてもびっくりしました。
朝になると母が納豆を出してきたのですが、僕は「多分食べられないだろうな」と思っていたのですが、なんと彼は全部平らげたのでとても感心しました。昼は龍馬記念館に行って蝋人形を見てきました。そして昼にはお寿司を食べて、彼を見送りに行ってきました。別れる時はとても悲しかった事を鮮明に思い出します。
このホームステイを通じて感じた事は、自分の中国語のレベルがまだまだなのと、“中国人”という自分の偏見の愚かさです。やはり新聞やニュースなどでは見えてこない中国人の温かさを経験させてもらいました。
また、情報を得る時とかにも“さまざまな観点から見る”ということを学ばせてもらったのが、一番の体験だったのではないかと考えます。もしまたこのような機会があった時には、迷わず異国の文化と人の温かさを学びたく存じます。(高知県3年男子)

○「中国人留学生を受け入れて」 
私の心にぽっかり開いた穴。その穴はこれからも決して埋まることはないと思う。言うまでもなく、この穴は彼女と別れた時に開いたものだ。今、彼女はどうしているのだろう。そんなことに思いを馳せながら、彼女と過ごした3日間について振り返ってみようと思う。
今回の3日間の中で私が一番印象に残ったことは二つある。一つ目は、彼女とかつての日本の都である奈良を見てまわったことだ。今から約1,300年前、日本は彼女の国から鑑真和上を招いて授戒を行った。鑑真和上は5度も失敗し、失明したにもかかわらず、私達の国へ来てくれた。そんな中国と日本の強い絆が見える奈良を、彼女と一緒に見てまわれたことは、私にとってとても意義のあるものになったと思う。
二つ目は、お別れの時に彼女が流した涙だ。言葉もスムーズには通じず、3日間という短い期間を共に過ごしただけなのに、彼女は私たち家族との別れに対して涙を流してくれたのだ。その涙は温かくて、でも切なくて、私たち家族も涙を流さずにはいられなかった。ふと周りを見渡すと、ほかのホストファミリーもやはり私たちと同じで別れを惜しんでいるようだった。中国と日本。国も言語も文化も違うけれど、人が持つ別れを悲しむという気持ちは、やはり一緒なんだなと改めて感じた瞬間だった。
現在中国と日本は、政治的な面で非常に緊迫した状態が続いている。日本人の中にも、中国人の方や中国という国を非難したりする方がいるが、私は非難する前にもっと中国とそこに住む人たちについて知ってもらいたいと思う。正直、私もホームステイを引き受けるまでは、わずかながらも、中国という国を特別視する気持ちがあった。しかし実際に中国の子と過ごしてみると、私たちと何も変わらないことに気が付いた。宿題をいやだなぁと思う気持ちがあったり、テレビドラマが好きだったり、好きなアイドルグループがいたり…日本のteenagerと同じであった。言葉がスムーズに伝わらなくても、伝えよう、必ず伝えてみせると、一所懸命コミュニケーションを取ろうとする彼女の姿勢には、日本人が昔から持つ“思いやりの精神”を感じることができた。彼女は私たちにコミュニケーションの方法はもちろん、日本人の根底にある“思いやりの精神”さえも教えてくれたように思う。一緒に過ごした日数は少なかったけれど私たち家族はとても大切なものを彼女からもらった。最初は引き受けるか迷ったホームステイだったけれど、終わった今、本当にやってよかったと感じている。最後に彼女へ向けて。「私たちと出会ってくれてありがとう。」(愛知県2年女子)

 
 
   
 
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