平成22年度中国社会科学院青年研究者代表団第1陣が来日 「気候変動問題」、「東アジア経済」をテーマに交流
団員感想
Q1: 専門分野の交流、視察はいかがでしたか? Q2: 上記の項目以外ではどのような感想を持たれましたか?
【気候変動分団】
《気候変動分団団員1》 Q1: 第一分団の学術交流に参加できて大変光栄に思う。 地球温暖化は世界の全ての国が直面し、政治、経済、社会、文化等の様々な分野の競争や協力関係に関わる重大な課題である。今回の訪日では、主に次のような感想を持った。第一に学ぶということ。日本は、先進国の一員として、排出削減の面で世界と歩みを共にしており、日本の技術革新は温暖化問題の解決に非常に有益である。一方、中国は、発展途上国として短期間で発展、乗り越えなくてはならないという困難な状況に置かれているため、先進国に学ばなくてはならない。第二に友好的な振る舞い。受入側として、日本の関係機関・団体は私達の団を非常に重視してくださった。中日両国における各分野の協力と発展を願う姿勢や、きめ細かな手配に大変満足している。第三に中日協力の前途は明るいということ。今回の視察を通じて、両国の学者が同じ問題に取り組む姿を見ることができた。日本の民間団体の友好的な姿勢により、排出削減に向けた協力はより深まることだろう。 Q2: 第一に、学術交流を恒常的に行うということ。第二に、日本の先進技術は多くの局面で役立つものである。 《気候変動分団団員2》 Q1: 日本は資源の乏しい国として、省エネルギーや環境保護、気候変動への対応の面で、多くのことを成し遂げており、科学技術分野、技術研究開発等でトップを歩んでいる。グローバルな気候変動問題に対し、日本は国際協力の推進に力を入れ、国際社会に対し率先して深くコミットしており、これは日本政府の決意と誠意の表れである。 Q2: 日本人の謙譲の心、友好的な姿勢、親切さが忘れられない。小さなことでは道を譲ったり、大きなことでは私たちの道案内してくれるなど、他人に便宜を図り、困難は自らが引き受けていた。日本の社会効率は比較的高く、私たちの訪日スケジュールからも窺うことができた。無駄なくまとまっており、非常に充実していた
《気候変動分団団員3》 Q1: 今回の温暖化に関する専門家との交流や視察を通じて、非常に多くの成果と感想をもった。 (1)今回の交流と視察を通じて、私たちは日本が中央・地方の管理、実務部門、研究機関、大学等の様々なレベルが連携し、温暖化問題を非常に重視していることに深い感銘を受けた。 (2)日本は温暖化問題に対して、技術、法律、具体的な実施手段等の様々な面において積極的に実際的、効果的な対策を探究し、すでに段階的に研究成果を上げてきている。 (3)日本の関係部門、機関・団体では私たちの今回の訪問にあたり、非常に入念な準備を行っていた。講演テーマの選定、講師、資料等、あらゆる面で準備や手配が万全であり、私たちは多くのことを吸収することができた。 Q2: 交流を通して、さらに次のような感想を持った。 (1)日本の国家公務員、研究機関と大学の研究スタッフ及び事務局のあらゆる人々の勤務態度は敬服に値する。技術者の懸命に努力する探求精神、公務員の社会に対する責任感、さらには事務局スタッフの行き届いた親切さに感心・感動し、そこから日本人の非常に優秀な資質を学んだ。 (2)多くの日本人のマナー、文化に感銘を受けた。何事にもきちんとしており、計画通り実施し、時間を守り、礼に応える等は、私たちが学ぶべきところである。 (3)今回のスケジュールは若干慌ただしく、吸収した情報も多かったが、一部まだきちんと消化できなかった点もあったため、今後十分に関係を保ち、さらに交流を深めたいと思う。
【東アジア経済分団】
《東アジア経済分団団員1》 Q1: (1)日本経済は今まさに構造転換の調整期にあり、安定的な輸出貿易をベースに新たな経済の成長点を見出す必要がある。 (2)日本は科学技術水準が高く、特に環境産業、新エネルギー産業(電気自動車産業を含む)、医療サービス産業等の分野には大きな発展の潜在力を秘めている。 (3)中日の経済発展の段階は異なるが、相互補完性が強い。中国の経済成長は日本の経済構造の転換を促す一方、日本の高度産業の発展も中国にさらなる活力をもたらす。東アジア経済の持続的な発展には、中日両国が全面的に協力していくことが不可欠である。 (4)日本の過去の経験或いは現在の課題は、中国の発展に重要な啓示を与えてくれる。 Q2: (1)日本企業と政府は中国の改革開放の過程で積極的に関与し、中国の経済発展に非常に大きく貢献した。 (2)中日両国間の経済協力と交流は新たな段階に入るであろう。科学研究に従事する者として、新たな協力モデルとメカニズムを研究・探索して、中日両国の経済協力に貢献しなければならないと思っている。 (3)中日両国の文化には共通性があり、両国の民間交流を一層強化しなければならない。国民の間の信頼関係を構築し、それぞれの発展段階で直面する問題を理解し、共に利益をうけるWin&Winで発展していく関係を求めることこそが長期にわたって発展する基本となる。 《東アジア経済分団団員2》 Q1: まず、日本側の行き届いた手配が強く印象に残っている。資料の配布から会場の手配、そして出席者の手配など、非常にきめ細かできっちりしていた。次に、専門家の交流では得るところがとても多かった。政府職員の講演でも、大学教授の講座でも、またその他研究機関の質疑応答、判断の難しい問題の解釈においても、非常に得るところが多いと感じた。そして、両国の学者がある事柄における見解で論戦を交わしたことも興味深いものがあった。私は日本の学者の日本ひいては東アジア経済に対する見方を聞いて、日本のスタンスと役割をより直接感じることができ、今後の研究活動の中で十分参考になると感じた。最後に、日本側の友好的で礼儀正しいところを私は生涯忘れない。どの機関・団体においても、私は日本の友人の親切さと友好を感じた。 Q2: 日本は現代と伝統が融合した非常に調和のとれた国である。高層ビルが林立する大都会の中に、古代建築物や寺院・廟が混在していることに少しも違和感を覚えなかった。日本人の全体的な資質は非常に高く、どのような場合にも自主的に列を作り、道路での車の走行マナーにしても、日本国民のマナーの高さを感じた。今回の訪日は私の初の海外渡航であったため、私の人生経験に深く刻まれるであろう。 《東アジア経済分団団員3》 Q1: 日本の政界と学界は日本経済及び社会の現状に対して深い認識を持っており、このことは日本経済が現在直面している困難を乗り越えるために非常に重要である。日本経済が過去二十年間に遭遇した困難は、中国経済が今後遭遇するだろう困難でもあろう。日本の経験と教訓は中国の今後の発展に非常に重要である。 Q2: 中日双方の学界は東アジア経済地域協力が今後発展していく上で非常に重要であり、双方が今後さらに交流と協力を強化していくことを望む。