平成23年度中国国家行政学院公務員訪日研修団 団員の感想
●今回の日本訪問は、日程、内容、接遇のいずれも充実しており、短い期間に、日本の政治、経済、文化、社会について系統的に知ることができ、実り多い研修となった。 滞在中、日中友好会館の皆さんのきめ細やかで真摯な仕事ぶりに接し、深い感銘を覚え、見習いたいと思った。 ●今回の訪問に参加できて、とても嬉しく思う。国家行政学院・研究生部の郭暁来主任と張恵玲主任ならびに関係各部門に感謝したい。この研修で多くのことを学んだが、特に印象深いのは次の幾つかの点である。 (1) 節電意識 日本は3.11大地震により、原子力発電所が打撃を受け、電力供給が逼迫した。政府の呼びかけのもと、行政機関、企業、家庭を問わず、全国民が節電に努め、役所の玄関やトイレのドアには節電のビラが貼られ、室温は28度以上に設定されていた。 (2) 環境美化意識 日本は海洋国であるが、国民の環境美化に対する意識は高く、東京も岡山もとても清潔だった。それに比べ、中国国内の都市は、清潔な街づくりが呼びかけられてきたが、不衛生で乱雑な状況はいまだ改善されていない。日本に学ぶべきである。 (3) イノベーション精神 日本企業はもとよりイノベーションを重視している。その意味では、富士通株式会社は、高齢化社会やネットコミュニティの実現と農業の法人化研究に先見性をもって毎年グローバルで3千億元超もの資金を注ぎこんでいる。 (4) エコロジー意識 日本は島国で、資源に乏しい。しかし、資源のリサイクルは我が国より進んでいる。パナソニックセンターで見学した家電製品には省資源と環境への配慮がなされていた。私たちもこれらに学び、省エネとゴミの減量に一層努力しなければならない。 ●日本は世界の先進国の一つであり、行ってみたいとずっと思っていた。今回日本を訪れ、清潔な環境、整った秩序、進んだ科学技術などを直に感じ取ることができた。自分の仕事の参考と示唆に富む研修となった。国家行政学院と日中友好会館ならびに受け入れスタッフの尽力と周到な手配に心から感謝申し上げる。 今回の研修を通して、高度成長期にある我が国は自然条件が日本と似通っており、努力を続けることによって、必ず先進国の発展レベルに到達できると思った。そのための鍵は、国家の質の向上にあり、社会の発展の最も重要な要素は人である。 私の仕事は優れた人材の養成にかかわることであり、今回の研修で得た見聞や経験がきっといろいろ役立つと思う。その時には、訪日研修中の素晴らしい思い出も一緒によみがえってくると思う。中国と日本が友好と協力を深め、素晴らしい国に発展していくことを願う。 ●日本を訪れることができ、感慨もひとしおである。 日本は私にとってよく知っているとも、また、全く知らないともいえる。よく知っているのは、日本軍国主義が中国人民を傷つけ、中国人の一人としてそれに対して抱く憎しみによるものであり、他方、日本の経済と社会の発展ぶりや日本人と接する中で受ける民度の高さに対してである。しかしながら、実際に日本を訪れて個々の日本人と直接交流するのは初めての経験で、以下4点の感想を述べたい。 (1)日本人の勤勉さ、賢明さ、真面目さ、責任感は学ぶべきである。 (2)我が国はこれからの発展過程で、日本の経済全体の発展と社会生活の発展のバランスが取れている点を参考にすべきだ。 (3)日本固有の文化が西洋文化を受容し、融合してきたことが発展の源泉となっている。 (4)国力を強めるには、さらなる民度の向上と経済の発展が必要だ。 日中友好会館の心温まるもてなしに感謝申し上げるとともに、通訳スタッフにも感謝する。 ●今回の活動は、日程・接遇ともにとても良かった。スケジュールには無駄が無く、研修テーマにしっかりと沿ったものであり、情報量が多かった。これは受け入れ側の本研修への重視の表れであり、時間の有効利用という姿勢も反映していた。 ただ、内容が多岐にわたり、深く掘り下げることは難しかった。メンバーそれぞれの関心事項が異なり、纏めにくいからでもある。しかし、今回の研修を通して特に公共管理の面で、日本各地・各部門の行政執行力と効率化が、我が国より優れていることを感じた。もちろん、両国の文化や事情は異なっており一概には言えないが、日本の進んだ方法に学ぶ必要がある。 実際にその場へ行き、身を以って経験し見聞して初めて実感が湧き、交流を通じて初めて理解し合えると感じた。 ●主な感想を以下に述べる。 (1)日本国民は法的意識が強く、ルールをきちんと守る。 (2)日本社会はすでに安定期に入っており、前回の訪日(14年前、1997年)と比べて大きく変わっておらず、中国のような日進月歩の発展は見られない。 (3)日本人は精悍で能力が高い。細部重視の製品デザインは、「人にやさしい」ものづくりの精神を感じさせる。 (4)日本は環境も気候も良く、清潔で衛生的である。 (5)日本人は中国に対して全面的な理解に欠けている。誤解しているところもある。 (6)日本はすべてにおいて「小」を極めようとしているが、時に生活に不便をもたらすこともある。 ●感想 (1)日本人は努力家で賢く、情熱的で礼儀正しく友好的である。 (2)日本の科学技術の発展水準は高く、中国は学ぶべきである。 (3)日本の都市建設と管理は合理的で、中国にとって学ぶべきところである。 (4)日本人が倹約的で健全な消費生活を営んでいる点は、我々にとって見習うべきところである。 (5)日本の環境保護と資源の開発利用は上手くバランスが取れている。 (6)日本は先端技術が大きく発展している現代国家である。中国はまだ発展途上にあるため、日本の先進的な制度、科学技術、マネジメントとイノベーションの理念をこれから取り入れるべきである。