公益財団法人 日中友好会館 JAPAN-CHINA FRIENDSHIP CENTER
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総合交流部
 

平成23年度中国青年代表団第1陣 団員の感想

 
  ●A団 青年指導者
8日間の日本での訪問が、もうじき終わろうとしています。日本を訪問して、日本の都市が清潔で整備されていたこと、都市にはゴミ箱が1つもなく、室内にも道路にもチリひとつ落ちていなかったことを、身をもって体験しました。日本の国民の資質の高さがとてもよくわかりました。この点を、私たちも見習わなければなりません。

国会議員との交流では、日本の政党が青年に対して行っている活動、方針、方法の概要についてさらなる理解を深め、日本の青少年の現状、青年活動の理念や関連対策、育成システム、そして日本の末端組織の現状や運営方式についても詳しく知ることができました。

ホンダを見学して、ホンダの成長がグローバル企業の発展の道のりであることを知ったほか、中小企業からグローバル企業に発展するまでのホンダの軌跡や、世界環境保護への貢献に対して、より一層理解を深め、「The Power of Dreams」の意味や「人間尊重、3つの喜び」の基本理念についても詳しく学びました。ホンダの「社会に幸せをもたらす、人類に幸せをもたらす、主体的自立、国際的、個人能力の尊重、継続的な発展」という内容が充分に反映されていました。

福井県は四季が綺麗な、海に面した美しい都市です。青年事務所や青年公務員の方々と直接交流して、日本の文化、政治、経済、教育、また、食事、住まい、行動に対して、より良いイメージを持つようになりました。感覚的に理解することができ、得るところも大きかったです。これも、直接交流ができたおかげです。こうして交流することはとてもよいと思いました。

日本の未来がさらに素晴らしいものとなりますよう、日本と中国の青年の友好が末永く続きますよう、私も祈っております。


●B団 経済
今回の訪日活動で、私は日本人の親切さ、文化、意志の強さ、厳格さなどをより深く認識しました。

経済、科学技術、人文などの面では、科学技術強国の独創性に感心し、一つの民族、一つの国家にとって、国民全体の資質向上がどんなに重要かを実感しました。90年代以降、日本のGDPは下り坂ですが、実際は先進国として世界の科学技術、経済発展の最前線に立っており、「高処不勝寒(高みにいると、かえって寒さがこたえる)」というところでしょう。中国はまだ発展途上の国であり、先進国の長所をもっと学び、先進国が発展の過程でぶつかった問題を回避しなければなりません。

日中両国は互いの長所を学び短所を補い合って、ともに進歩発展し、友好の連盟を実現すべきです。


●C団 メディア
まず、日本側の心のこもった手配と、至れり尽くせりの配慮と終始根気よく接してくれたことに感謝します。

前回の訪日は10年前で2泊のホームステイでしたが、その後10年間ずっとホストファミリーと連絡をとっています。中日両国の間には宿怨もありますが、実際、両国は地理的、伝統文化において似ているところや関連性があるので、いったん交流を深めれば、その情感は東洋と西洋の人たちとのそれより深いのです。この点から言えば民間交流の意義は大変大きいです。

当然、政治体制や社会体制の違いから、両国は互いに警戒心が強く、誤解も多いです。これらは単に数回の民間交流や1回のメディアの行動だけで解決できません。私が思うに、日本の若い世代の考え方は開放的で自由で、中国の多くの若者も過去の歴史に拘っていません。従って、半世紀後、日中は過去のわだかまりを乗り越え、緊密な関係を築きあげると思います。

10年間日本はほとんど変化が起きていないように見えます。これはバブルが崩壊した後、経済活動が停滞した現れだと思います。日本は中国、つまり中国市場が必要です。今の中国は20~30年前の高度成長期の日本と似ていて、たくさんの問題に直面しています。中国が日本の有益な経験をお手本とし、教訓を学び、軟着陸を成し遂げ、最終的には、現在の日本のような、健全で成熟した社会となることを望みます。


●D団 環境保護
8日間のプログラムを通して感じた主なことは以下のようなことです。

1.生物多様性は世界各国の環境保護政策の中で重要なものの1つであり、これまでに関連法律の制定並びにそれに対応する目標の設定がされており、中国の当該分野の事業は日本の科学技術の援助が受けられることを願っています。

2.日本の伝統文化はそれを継承していくことが大変素晴らしいと思います。中国と日本は多くの共通点を持っており、共通の祝祭日などがあります。今後、両国が互いの文化を尊重し、文化の交流を通して友好の窓を開けることを願っています。

3.トキの保護を通じて生物多様性について学びました。生物多様性の面から考えればトキの保護は1つの例ですが、トキが中日両国の友情を代表する友好の懸け橋であるだけでなく、より詳しく生物多様性の重要性と日本のやり方を理解し、よりよい効果を上げることにつながったと思います。


●E団 映画、テレビ関係者
①日本はとても感謝を大切にする民族だと思いました。公式、非公式どの場面でも、日本の方がマイクを握るといつも、東日本大震災で日本が受けた痛みと、そして中国援助に対する感謝の言葉を述べてくれました。私たちの援助が尊重されていると感じました。

②日本の民族はとても細やかだと思いました。そしてその細やかさが成敗を握っていると思いました。博報堂を訪問した際、団員の質問に対し、博報堂の担当者の方は適切な答えが分からなかったのですが、ごまかしたりせず、直接「私にはわかりません」と答えました。そして、二日目に、しっかりと調べた答えを私たちに連絡してくれ、この行為は私たちにとても深い印象を残しました。今回の日本の旅で、団長が話していたように、「島国のロマン、そして桜の国の細やかさを持つ日本」を感じることができました。ぜひまた日本へ来たいと思っています。


●F団 対日観光関係者
日本の3月11日の地震以降、中国国民の日本への旅行は大きな影響を受けましたが、この2カ月、価格を下げて販売するなど旅行業者の努力により、少しずつ復活し始めています。震災後の復旧状況と放射能の影響範囲が、中国の旅行業者にとっては最も気にかかり心配な点です。

今回の訪日活動に参加して、東京、京都、大阪などの街が賑わい、観光地には国内外の観光客があふれる安全な環境を見て、引き続き日本へ顧客を送り出す自信を持つことができました。帰国後は業界の友人にも情報を伝え、皆の心配を取り除きたいと思います。訪日旅行が徐々に回復することを信じています。

また、日本観光庁の「観光立国」についての講演の中で、日本が中国市場を重視しており、今何を行い何を計画しているかといった話があり、私も力づけられました。日中両国の共通の努力によって双方の観光業が発展することを願っています。それによって両国の大衆が交流することが、友情を育てるのに役立つに違いありません。

今回の旅では、通常の観光スポット以外に、防災館、和服や茶道の体験、ホテルの環境面における努力、TEPIA先端技術館などの見学もあり、非常に印象深いものとなりました。個人的にも、学習し視野を広げる機会になりました。また、今後観光商品を企画するための参考にもなりました。通常の観光地に防災やハイテク関係の体験などを組み合わせれば、旅行客にとってより魅力的な旅が実現できるだろうと思います。

日本の招待に感謝いたします。


●G団 教育関係者
7日間の日本の旅は、経済、文化、教育、自然などいろいろな面で深く印象に残りました。

大地震後の日本に来ることに多少の不安はありましたが、来てみると日本人の生活には何の影響もないことがわかりました。しかも国民全体が節電に努め、国家の難局を乗り切ろうという雰囲気にあふれ、非常に感動しました。都市のインフラだけ見れば東京も北京や上海と変わりがないが、細部には参考になる点がたくさんありました。例えば、きめ細かくわかり易い交通標識など、また日本人が交通規則をよく守る点は我々も学ばなければなりません。都市建設においても、高層ビルや広い道路を作るだけでなく、環境を守り都市住民の資質やモラルを向上することが、中国にとっての大きな課題であると感じました。

長野の旅では日本の美しい自然を体験しましたが、実は最も感動したのは自然の美しさではありません。私にはこれまで中国全土を歩いた経験があり、中国には珍しい景色も美しい景色もあることを知っています。しかし日本では、人々と自然が調和し、生態が守られ、バランスのとれた観光開発が行われており、その点に感銘を受けました。中国のリゾート地で樹木が伐採されアスファルトの道路が作られている一方、日本の観光地では逆に木の板や石を路上に敷いてできるだけ自然を損なわないようにしています。中国の観光業界もよく学び、できるだけ自然を破壊しないよう考えて欲しいものです。

今回の旅は日本の教育システムについて理解を深める絶好の機会であり、一般の観光客にはできないような体験ができました。慶應義塾幼稚舎、自由学園の幼稚園〜高校、早稲田大学、文科省による全体の紹介、長野県教育委員会の具体的な説明、さらには科学技術館、こどもの城といった学校以外の教育補完施設なども含めた幅広い見学を通じて、日本は豊かな教育資源を有しているが、日本の学生たちも中国と同じような競争の圧力にさらされたり、より優れた教育資源を獲得するために学校以外の施設を活用していることもわかりました。しかし中国と違うのは、ピアノや絵画などの学習は個人の興味や自己修練が目的であって、けっして試験の点をプラスしてもらうためではない点です。このことは我々もよく考えるべきです。中国の子どもたちは「加点制度」のために無理して習わざるを得ず、本当なら情操を育てる教育がかえって情操を阻害し、資格証明をとった後は触ろうともしなくなるという問題があります。

教育資源の配分が不均衡という問題については、日本の公立学校で施行されている異動制度が良い解決策になると感じました。教育投資を増やし教師の質を上げると同時に、一定の地域内で教師が異動すれば、公立学校の学校選びや越境問題を解決できます。

最後に、日中友好協会及び中華全国青年連合会の今回のご尽力に感謝します。7日間という時間はあまりに短く、機会があれば今度は個人の旅行者として再度日本を訪れ、街を歩き、都市や農村を見て日本人の生活や文化に触れ、多くの中国人にその感想を話して聞かせたいと思います。日中両国人民の友情が永遠に続くことを祈ります。


●H団 司法関係者
7日間の訪問を通じて、外務省が如何にこの活動を重視しているのかよく分かりました。また法務省表敬では、法務大臣にお会いすることができて大変感激しました。

7日間の活動中、我々は日本の司法制度を理解することができたし、日本弁護士連合会の皆さんとも交流できました。そして私自身司法に携わる者として今後の自分の仕事に対しても自信を深めることができました。

長久手町の国際交流協会ボランティアとの交流では、70代のボランティアの皆さんの祖国と自国文化に対する思い入れの深さを感じ、中国の友人への深い友情も感じ取ることができてとても励まされ、かつまた自分自身の祖国への思いも触発されました。南山大学を訪れた時には、日本の大学生の考え方や彼らが直面する現状を知ることができました。

日本の友人は皆誠実で、課題があれば少しもおろそかにすることなくまじめに対応してくれました。このことは私に彼らの真実の一面を見せてくれることになったと思います。
 
 
   
 
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