2011日本青少年訪中代表団第1陣 団員の感想
<A行政・国会議員> 「ダイナミックな経済発展など『スケールの大きさ』を実感」 2011日本青少年訪中代表団の行政・国会議員分団の一員として、一週間にわたって北京、鄭州及び成都を訪問する機会を頂きましたが、返還直後の香港への訪問と台湾への訪問を除き、中国への訪問は今回が初めてであったため、マスコミ等を通じてでは伝わってこない「スケールの大きさ」を実感することができました。一週間のスケジュールを通じて、「スケールの大きさ」は、広大な国土、悠久の歴史、多種多様な民族、ダイナミックな経済発展、盛大な宴会など様々な観点から実感することができ、その大きなスケールの中に身を置くことにより、中国人のものの考え方の違い、文化の違いなどについての理解が深まったのではないかと思います。 鄭州については、北京や成都と比べても自分の事前知識が不足しており、河南省の訪問前のイメージは、沿岸部の都市と比べて大きく発展が遅れている農村地帯だろうといったものでしたが、実際に訪問してみて大きなギャップがあったことを認識しました。沿岸部と内陸部の間の所得再分配の仕組は良く分かりませんが、実際に訪問してみて、鄭州の二十七区亜星コミュニティーや馬渡新村などの訪問先においては、大規模な投資がなされ住民の生活水準は著しく向上してきているということが分かりました。例えば、「コミュニティー」は、なかなか理解しづらい組織でしたが、自治体のような町内会のような組織として「団地」における行政機能を果たし、レクリエーションの実施も含めて住民の生活向上に意を配っていました。また、「新農村」も、実験的試みのようではありましたが、農地を収用して新興住宅地と共有農地に再開発することにより、生活環境の改善と農地の生産性の向上を図っていました。他方、これらの仕組は、中国共産党の一党支配が末端まで行き届くように管理するためのツールのようにも感じられ、これらの仕組を通じて、住民の生活水準の向上と管理の徹底を図り、そのことにより政権の安定性を維持しているようにも感じられた。 スケジュール全般を通じて、比較的新しい建築物・構造物の老朽化が早いこと、交通渋滞や交通規範に改善の余地が大きいこと、トイレや空港などでの整列順番を守らないことなどから、急速な経済発展のスピードに、技術的、社会的な成熟が追いついていない面があるように感じられた。 今回の訪問を通じて得られた一番重要なことは、日中友好会館の皆様、中華全国青年連合会の皆様、中国で日本語を学ぶ学生の皆様をはじめ、多くの方々が日中友好のために取り組んでおられ、その熱い想いを共感することができたということだと思います。歴史的にも地理的にも一衣帯水の両国の友好は不可欠であり、今回の訪問を契機として、私自身も取り組んでいきたいと思います。 (行政・国会議員分団) <A友好団体> 「相手を知り、自らを知る」 感想文の冒頭に、期間中の随行だけでなく事業そのものの事務局をつとめていただいた日中友好会館の皆さん、受入のために微に入り細に入る配慮をこらしていただいた中華全国青年連合会の皆さんに、心から御礼申し上げたい。旅程を無事に事故なく終えるためには、いくつもの苦労がある。このことに、まずもって深い感謝の念を申し上げる。 さて、今回参加して最も強く感じたことは、実際に足を運び、自らの五感で感じ、直接対話することの大切さだ。今回の訪問地では、それぞれの場所に赴いたことそのものに学びがあったことは言うまでもないが、中でも、青少年宮の指導者や四川大学の学生との対話の機会を与えていただいたことは、とりわけ大きな意味があった。青少年宮では、中国の青少年の課題とその対応について参考となる取り組みを聞け、四川大学でのグループ討議では、手作り感あふれるプログラムで学生の皆さんに親近感を覚えた。いずれも直接の対話でなければわからないことだ。 一方、今回の訪中を通じて、数多くの友好団体や関係機関の方々と出会えたことも、新鮮な驚きがあった。日本の各団体の活動内容を知り、顔の見えるつながりができたことは、帰国後、日常的な関わりはなかったとしても、今後、何らかの形で次につながるはずだ。日中の青少年交流でありながら、国内の横の連携を深める機会にもなっているところに、この事業のもうひとつの意味があるのではないだろうか。 相手を知ることで、自らを知る。国際交流の意義とは、この点にあると私は思う。日中間には数多くの課題があるのは周知の通りだが、政治とは別のレベルで相互理解を通じた新たな関係を築きあげていく可能性を感じることができた。関係各位に重ねて御礼申し上げ、日中友好にささやかながら力を尽くしていきたい。 (友好団体分団) 「一学生としての訪中体験」 私はこの度日本青少年訪中代表団の訪中行事に一学生として参加できたことを大変喜ばしく思う。これまで私は東南アジアの数カ国を訪れたことはあったが、中国を訪れたのは今回が初めてであった。今回は中国の三都市(北京、鄭州、成都)を訪問した。北京での歓迎レセプションで目にした中国の伝統芸の数々、鄭州の少林寺で初めて目にした少林寺拳法のレベルの高さ、成都のかわいらしいパンダや美味しい四川料理など、それら全てが我々の心に強く記憶として焼きついた。 全体として私が見た他の東南アジア諸国と比較すると、中国の規模や技術の高さは桁違いであった。特に08年にオリンピックの開催された北京はインフラが非常に高いレベルで整っており、何不自由なく生活ができる。訪問した三都市を見て、溢れんばかりの活気を国民や街の様子から感じた。現在世界で著しい経済発展を遂げているBRICsの一つとして注目されているのも頷ける。特に日本が東日本大震災や経済状態悪化などの暗い話題の多い日本にいる我々は、余計にその活気に刺激を受けた。 そして全体としてもう一つ感じたことは、著しい経済発展を遂げている一方で存在する、激しい地域格差である。やはり地方都市では日本と比べても決して生活水準が高いとは言えず、世界のトップ基準にはまだまだ及ばないと感じた。広大な国土と大量の人口を抱えた国であるだけに、中国全土における格差の縮小にはまだまだ時間がかかるだろう。そういった意味では改めて日本の豊かさや公共施設の充実度の高さを感じた。同時に、中国の伸びしろの大きさを感じた。 それと一学生として、訪中時には中国の同年代の学生の生の声を聞いてみたいと前々から思っていた。そこで四川大学の学生との交流時には、中国の学生の間での流行のファッション、音楽、スポーツなどたくさんの話を聞いた。そこでの感想は、学生の興味や関心は日本人学生のそれと大差は無く、非常に親近感を持てたことが嬉しかった。 また私にとって非常に大きかったことは、中国の人々に対する抵抗感というものを、今回の訪中体験以降全く感じなくなったことである。日本国内では、メディアなどによって中国国内で起きた反日デモの様子や、領土問題にまつわる両国の対立などといった日中関係に関して暗い話題をよく耳にして育ってきた。そのため訪中前に私の心には正直なところ中国への悪いイメージが少なからず存在していた。しかし、今回の経験を通じて中国の人々と一対一でコミュニケーションをとり、相手のことを理解することによって、不思議とそういった感情はいっさいなくなった。そして私は、こういった交流活動によって日中両国の溝を埋めることがいかに重要なことであるのかを痛感した。日本人にとっても中国人にとっても、きちんと面と向かってコミュニケーションをとることが、少しずつではあるが世界平和へ繋がる第一歩ではないかということを感じることができた。 今回の友好団体で参加されていた方々の多くは社会人であり、我々のような学生は数少ない存在であった。だからこそ私たちは、今回の経験を自分達なりに整理し、周りの同年代の人々に発信していくことが我々の日中友好のためにできることだと思う。この経験を無駄にせず、これからの日本を作っていく者の一人として努力をしていきたい。 (友好団体分団) <B経済> 「中国との関係構築のあり方に対する所感」 今まで中国に関してはフィルターがかかった情報しかなく、今回の訪中を通じ、自分の目で中国という国を確かめられ非常に貴重な経験が出来、また日本人として、一人の人間として中国との関係構築のあり方について改めて色々考えさせられたことは大きな財産になったと感じております。 まず、考えさせられる上で、最初に強く印象に残ったことは、参観する施設において中国にとって都合の悪い歴史観についてあまり触れられておらず、中国共産主義体制について思想教育を徹底させている様子が伺えたことです。中国は共産主義でありながら市場経済を導入するなど、国家運営上、幾つかの矛盾点とそこから派生する多くの問題も抱えており、中国共産党の立場に立てば、一党支配体制を維持するためにも思想教育を徹底することはある種当然の方法であると思っております。あくまでも私の主観ですが、改めてしたたかな一面を垣間見た気がしました。私も含め日本人は比較的に自虐的な歴史観を持ち、お人好しな人間が多いような印象を受けるため、そのようなしたたかな国と組織レベルで対等な関係を構築し付き合っていくには、昨今の中国への対応のように、「中国の人たちが怒っているから、こっちは譲らなければいけないのでは、謝った方が良いのでは。」といった受身の対応ではなく、日本人として「主体的」で且つ「強い決意や意志」を持って対峙する必要があると改めて思うとともに、主体性のない関係構築は有り得ず、またそれが日本の国益を害すると強く思いました。 一方、多くの若い中国人との交流を通して、個人レベルでは友好な人間関係を構築することは可能で、なんら日本の若い人たちと関係を構築するのとそれ程変わらないとも思ったことも事実です。日中のそれぞれマスコミの伝え方もあり、訪中前までは反日感情をもっている方が多いのかと思いましたが、多くの若い中国人との会話は、極めて健全で、そこに中国という国の意思はなく、「個人の意思」を非常に良く感じることができました。個人の意思を感じることができた例として、訪問した東華大学での日本語学科の学生と交流で、親日的で日本企業で働きたいという希望を持っており、非常に意欲的な印象を受けたこと、一週間帯同し案内してくれた中国人とのありふれた世間話や日常会話から感じた彼ら自身の人生観などが挙げられます。今後も引き続き彼らとは交流を持ちたいと考えております。 最後に、今回私が実際に経験し考えされられたことについては、特に中国との関係における固有の話ではないのかもしれませんが、訪中を契機に様々なことに対し、今以上に主体性をもって生きていきたいと考えております。またその主体性の先に、様々な国々、組織、個人との健全な関係構築があると信じております。 (経済分団) <B地方交流> 「訪中を通じて感じたこと」 この度の訪中を通じて様々なものを観る機会に恵まれたが、特に中国の方々の熱意や物事の考え方が印象的であった。中国の方々との意見交換などを通じ、中国のエネルギーを肌で感じたことや、生の情報を得られたことが自分の財産になったと感じた。 湖北省旅遊局の方や旅行会社の方々とは、意見交換の最初に「東日本大震災後の日本に対する印象」について、日本側から質問がなされた。湖北省中国青年旅行社の柳氏によれば「現在の日本は、人体でいう少し体調が悪いようなもので、体調が回復すればまた良くなると中国人は思っている」とのことで、日本への温かい捉え方を感じた。また、中国への日本人旅行客呼び込みや、日本への旅行プラン策定における意欲も感じられ、中国国民の熱意を感じることができた。旅行関係者の方々の話だけでなく、各都市では夜でも男女問わず大勢の人々・自転車・バイク・車が大きな音をさせて行き交っており、熱いエネルギーのようなものを感じた。現在の経済発展がそのエネルギーを象徴しているようであるし、自身の日常業務や自分の生き方に対する活力を分けてもらえたと感じた 上海では東華大学の学生代表と交流する機会に恵まれ、日本のアニメ・マンガが中国で流行しているといった、学生ならではの生の声を聴くことができた。交流した代表者の一人は日本語学科に属しており、日本のアニメがきっかけで学科を決めたとのことであった。さらに、中国国民(特に若者)の日本に対する感情は概ね良好であるという認識も伺えた。これらの情報は現地の方々と話してみて初めて得ることができた。今回のように互いの国を訪れて交流ができれば、今まで知らなかったことがわかり、友好を築く近道になるのではないか。 中国では、中国国民のエネルギーや物事の捉え方を大いに感じ、友好を図ることができたと感じる。最後に、業務多忙中にも関わらず快く送り出して頂いた職場の方々や、日中友好会館を始めとする関係機関の方々に心から感謝申し上げたい。また、少しでも今回の経験を今後の業務に活かしていきたい。 (地方交流分団) 「天安門広場に立って」 今回訪れた北京、武漢、上海のどの都市も活気がありそれぞれの特色があって、自分にとっては非常に刺激的で興味深い場所であったが、最も印象に残っているのは天安門広場と故宮である。建国記念日が終わって間もないこともあってか、驚くほど広い天安門広場に巨大な飾り付けやスクリーンが並び、中国全土から毛沢東記念堂を訪れる人の行列が出来ていた。故宮に足を踏み入れてからも映画で観たのと同じ光景が目の前に広がり、中国の歴史上での皇帝の権力の強さを実感するとともに、言葉では言い表せないようなスケールの大きさにはただただ圧倒されるばかりであった。 今回の訪問は中国の歴史や文化について理解を深める意味では大変勉強になったし、中国がどういうところであるかは、実際にそこに行き、街を歩いてみないと実体験として涌かないと思った。正直なところ、よく言われる中国のイメージとは違わなかったけれども、中国という国の巨大さと奥深さにはそれを超える衝撃を受けたところである。また、中国の方との交流で言うと時間的に物足りない部分もあったが、一緒に参加した山形のメンバーや他県の方々と、仕事の話も含め様々な話や交流が出来たことは非常に貴重な経験となった。 北京でボランティアガイドをしてくれた学生が、「大学内には中国の少数民族の方がたくさんいて一緒に寮生活をしているが、喧嘩をしたことはないしなぜ紛争が起こるのかわからない。自分は日本に興味があるし、一生懸命勉強して日本との架け橋になりたい」と話してくれたことが、とても印象的であった。日本と中国の関係は、歴史的な事や領土問題を含め様々な問題を抱えているが、同じアジアの大国として切っても切れない関係であることから、お互いの国の相互理解を深め対話を続けていくことがやはり重要であると感じた。行く前までは不安もあったが、今回の訪中をきっかけに機会があればまた中国を訪れてみたいし、今後もこのような相互交流がずっと続いていって欲しいと思う。 (地方交流分団) <Cポップカルチャー> 「共通言語の誕生」 理由は様々だろうが、常にマイナスイメージがつきまとう。それが私に限らず、多くの団員に共通の中国に対する認識だったように思う。仕事では著作権関係のトラブル、契約不履行などでのトラブルを耳にするし、連日のように中国で起きた事件(例えば列車事故のような日本ではありえないような事件)が報道され、日本との比較が繰り返される…。 そんな中国観がまったくといっていいほど変わったのが今回の訪中であった。急激に伸びた経済、発展した街、歴史ある伝統文化…言及すべきものは多数あれど、私をもっとも驚かせたのは中国が思った以上に開かれた国であることだった。それも文化的にという意味である。 恥ずかしながら私は共産主義国のイメージだけで警察がそこら中で目を光らせており、自由にものを言えない、また自由にものを知ることができないと勘違いをしていた。 ところが今回であった方々は見識に、中国側からの視点だけではなく客観的な視点も持ち合わせていた。場合によっては中国という国が抱える問題も指摘するし、冒頭述べたような日中関係が必ずしも良くないということについても理解している。そして言うのである「私たちの世代で変えていきましょう」と。 その時感じるのが想像していた以上のストレートな親日感情である。はじめは本当に不思議で仕方がなかった。正直「訪中団だから中国に良いイメージを持ってもらうために、こういう人たちと接している。またこういうことを言ってくれていのだろう」そんな勘ぐりを入れたくらいだ。だが一週間ほどの滞在で多くの中国人たちと交流を得た今では、はっきりと理由が分かる。 彼らは幼いころから日本の文化に触れてきているのだ。アニメ、まんが、音楽…そういう我々の分団名でもあったポップカルチャー的なものである。それらを愛しているし、だからこそそれらを作った日本にも抵抗感がなく、むしろ非常に興味がある。そして政治、外交、経済その他でどんな問題があろうが、いやそもそも使っている言語が違っていようが、それらは共通言語として機能する。「あの歌手のこの曲は…」「私も小さいころ●●のアニメを見てたよ」「あのまんがの○○のシーンが…」といった具合である。 これってすごいことだぞ!!! 声を大にして問いたい。 「こんなことを政治家や外交官や学者や…その他もろもろの誰が成し遂げられますか!?」と。日本人同士だって北海道と沖縄の人が突然出会ったときに共通の話題がないなんてことがある。でも子供のころ見ていたアニメや遊んでいたゲームなんかの話になれば、たちどころに仲良くなれたりする。それが日本だけのことではなく世界に広がっていたら…!! 利害、思想の違い、風俗の違い…それらはどうやってもなくならないものだ。 だがそういったものは置いておいて。 もっと本質的な部分で。 世界中の人たちと本気で友達になれそうな気がする。 少なくとも中国に関しては、今回の訪中を通してリアルにその気配を感じられたのである。 もちろん現在、特に要職についている高齢の世代ではこうしたことにまでは至っていない。だが10年、20年後と考えたらどうだろうか。我々の共通言語が機能するメンバーが両国の主軸を担っているはずである。そしてはっきりとは開いていない両国の扉をあけるカギは首脳同士の握手なんかではなく、「ドラえもん」だったり「名探偵コナン」だったり「ONE PEACE」だったり、「AKB48」だったり「ドラゴンクエスト」だったり…するのかもしれない。 自分の仕事が中国にも確かに繋がっていた。本気でそんな実感を得る事ができたことが最大の収穫であったように思う。これからの中国との関係が楽しみである。 (ポップカルチャー分団) <Cミス日本> 「日本青少年訪中代表団に参加させていただいて」 この度、ミス日本2012年度候補生として日本青少年訪中代表団に参加させて頂いて、私は自分自身が一回り成長できたと思います。 初めての中国で触れる文化、歴史、食事すべてが私にとって新鮮でした。訪中前は歴史的な建築物、町並み。そんなふうに想像していたものを覆す、近代的に発展する中国を体験することができました。そして何よりも感じたのが、人と人との出会いの素晴らしさです。 訪中の際、ボランティア学生の方々が私たちの通訳や案内をしてくれました。最終の深センで出会ったボランティア学生のお二方とは、お話しをしたり、一緒に行動する機会が多く、たくさん理解しあえました。自由行動でお店を案内してくださり、通訳をしてくれたお2人に、話題のパンです。と、教えていただいたパンを「ささやかなお礼です。」とお渡しすると、お返しにと、お2人から真っ赤な綺麗な中国のお守りをいただきました。「これでこれから頑張ってください!中国から応援しています。」という言葉をそえていただいて・・・。胸が熱くなりました。別れの際、お2人のもとへ駆け寄り「ありがとう。会えて良かったです!」と伝えると、お二人も目に涙を浮かべ「私たちはもう親友です。」と言ってくださいました。感動しました。中国に住み生きていらしたお2人と、日本に住み生きてきた私が出会えた奇跡。そしてたった一日で友情が芽生えた奇跡。言葉が通じなくても、伝わらなくても、心と心で分かり合えるという事を学びました。私たちはこれからも親友です。 帰国後、早速私にメールが届きました。「無事つきましたか?また会うために日本への留学試験がんばります。おたがいに頑張りましょう!」という内容でした。またお会いできる日を楽しみに、今度は日本で、日本の良いところをたくさん紹介できるように、この中国で学んだ出会いの素晴らしさをこれからに生かしていきたいと思いました。 一週間という短い期間でしたが、いろいろなことを経験させていただきました。ありがとうございました。 (ミス日本分団) <D教育関係者> 「中国人のパワー」 今回、日本青少年訪中代表団での訪問が人生で初の中国であった。高度経済成長をとげている中国を実際に体験できたことは貴重な経験となった。その中で私自身が一番感じたこと、それは「中国人のパワー」である。 まず、降り立った北京首都国際空港、長春世界彫刻塑像公園など世界規模の大きさと美しさであった。北京・長春・大連ともに街の中心には高層ビルが建ち並び、建設中の非常に豪華なビルもたくさんあった。大連港においては中国関東地方最大の港湾である。現在でも相当規模が大きいが、これからもっと拡大していくということだった。現代社会における中国経済の成長のすさまじさを目の当たりにすることになった。 そして学校教育でも同様であった。長春で日章学園長春高校、大連で大連第79小学校を訪問した。日章学園では日本留学という明確な目標を持ち、その達成のために努力していた。大連の小学校では、ICTで映像・画像を駆使し、児童たちの興味関心を引き出そうとしている。それと同時に、表現の場もありいろいろと工夫されていた。マナー教育にも力を入れている学校であったので、これからどう変化するか注目したい。教育現場をみても熱気、向上心に満ちあふれパワフルであった。これは今の日本も見習わなければならないと感じた。多様化した社会ではあるが日本人こそこのパワーを持たなければならないと思った。 日本のメディアにおける中国報道はマイナス面のことが多い。これが日本人の中国に対する印象の大部分を形成している。これは両国にとってあまり良いことではない。しかし、この訪問で中国人のパワーを肌身で感じ、今後ますます日本と中国の良好な関係が大切になることを確信した。この研修で、お互いの文化や習慣などさまざまなことを、○か×かという「善し悪し」ではなく、□か△かという「違い」とうように考え、その「違い」を理解した上での交流が必要であることを学んだ。中国でもらったパワーを日本でも生かし、中国人と切磋琢磨できる、パワフルな日本人を育てていきたい。 (教育関係者分団) <D環境・省エネ> 「日本青少年訪中代表団の参加を通して」 私にとって中国は好きな国ではなかった。国内外で多くの問題を抱えており、日中の関係も必ずしも良好とは言えない。今回の訪中を通して、中国に対する印象は残念ながら大きくは変わらなかった。しかし歴史、文化、人々に触れることで中国についてもっと知ってみたい、もう一度、行ってみたいと感じるようになったのは事実であり、私自身の中国に対する思い込みが変化するきっかけとなった。 一週間の訪中では、北京、長春、大連と三都市を訪問し、故宮博物院や中華民族博物院と言った文化施設から、中国第一自動車集団公司と言った中国を代表する企業の視察まで、盛りだくさんのスケジュールで毎日が本当に充実していた。街を歩くと、高層ビルが立ち並び、多くの車が行きかう姿はまさに中国の発展を象徴するものであり、実際に目で見て、肌で感じることが出来たのは貴重な体験であった。 環境・省エネ分団のメンバーとして、長春市下水処理場や大連徳昌エネルギー環境発展有限公司に訪問できたことも有意義であった。中国は環境対策において、遅れを取っていると思われがちだが、下水処理場では、各国の最先端の技術を取り入れており、環境対策について強い姿勢で取り組んでいると感じられた。またエネルギー環境発展有限公司のような環境ビジネスを軸に発展している企業もあり、深刻な環境問題が指摘される中国において大きなポテンシャルを持った分野であることを再認識した。 今回の訪中で、私が見たり、聞いたりしたことは、中国におけるほんの一部分である。しかしながら、中国が今まさに真の大国に向けて動き出している姿を見ることが出来たのは、貴重な体験であった。しばしば中国は脅威か、それともパートナーかとよく議論されるが、それ以前にお互いがお互いについてまだ知らないことが多い。両国の発展のために協力できる分野は手を携え、譲れない部分は時間をかけてじっくり議論する。そのためにもまだまだ両国はお互いを知る必要があり、報道だけでは知り得ない情報が現地に行ってみるとたくさん得ることが出来ると再認識させられた。今回、得られた知識と経験を生かして、今後の日中の発展に少しでも寄与できたら幸いである。 最後になりますが、訪中時にお世話になったスタッフの方々、充実した時間を共有できた訪中団メンバーの方々に改めて御礼申し上げます。 (環境・省エネ分団)
<D文化> 「伝統文化を通じた人と人との相互理解が国家間の友好に!」 中国の全国青年連合会や役人の方々へお点前をお見せする機会に恵まれ、そのたびにとても喜んでいただけたことが一番の思い出でした。 茶道は日本文化の象徴でもあるため、国境を超えた文化交流という場では日本を紹介する上でとても有効であり、しかも気軽に披露でき参加者にも味わってもらえるという特長があるものだと改めて感じました。一碗を点てて召し上がっていただくという行為だけでもそこには茶道の本質である「和敬清寂」が凝縮されており、レセプションのにぎやかな場でもお点前が始まると一瞬にして空気感が変わったり、また点前座の一角だけはほど良い緊張感と心を正す静謐な気が漂ったりと、まさに長い歴史がある茶道だからこその感化力を実感しました。 また大連での歓送レセプションでは中国側の主賓にも体験でお茶を点てていただき、それを日本側の代表が召し上がるという一場面もあり、大変和やかな雰囲気が生まれました。さらに日中問わずどなたでも点前座コーナーでお茶を差し上げる場面では、多くの方々が押し寄せて日中双方にお茶の良さを伝えることができました。また、その会場にいた中国の女子学生が私の着物姿を見た瞬間に“写真撮ってもいいですか!”と目を輝かせて話しかけてきた時はとてもうれしかったです。授業の一環に茶道があり、その先生(女性)の作法がとても静かで上品なため茶人に憧れていたらしく男性の茶人は特に珍しかったようです。 ある晩の夕食後には、宿泊部屋で文化分団員の方々へお茶を差し上げている場に同席された中国人のガイドさんから、「世界の人々が茶道の心を学べば世界は変わる!」と、日本の伝統文化を理解いただけたときは感無量でした。 今回はたまたま私が男性茶人ということでお点前をするお役目をいただき、日中両国の関係者からもたくさん写真を撮られましたが、その背景にはお家元が代々継承されて守ってきた伝統の重みがあるからこそであると思うと、改めて身が引き締まる思いをしました。その国のアイデンティティでもある伝統文化は決して絶やしてはいけないことを痛感いたしました。 今回私たちを受け入れてくださった中国側の人々は、日本とのより親密な友好関係を築きたいという思いをもっており、とても温かい交流ができ、一人の人間として接するとメディアで報道されている中国人の印象はありませんでした。どうしても国家間というレベルになると利害がからみ望ましくない感情が生まれてしまうと思います。文化はその国の歴史や価値観、思想を反映するものですから、あらゆる国の人々が自国と他国の文化について知ることから国家間の友好が築かれるということを改めて認識しました。 (文化分団)