公益財団法人 日中友好会館 JAPAN-CHINA FRIENDSHIP CENTER
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総合交流部
 

平成23年度 中国青年メディア関係者代表団 第2陣 団員の感想

 
 


【第1分団(観光による地域活性化)】
  一週間の訪問の成果は盛り沢山であった。
  最も大きな収穫は、日本への理解と好感度が深まったことである。日本は歴史的な伝統文化の保護に熱心であることは早くから知っていたが、自分自身で美しい輪島漆器や能登半島の灯篭文化を目の当たりにした時には、やはり感嘆させられた。中国にも多くの民間手工芸が保護と伝承を必要としており、発展の過程の中でどのように伝統文化を盛り上げていけばいいか、本当に参考になった。
  次に、日本人が大自然と調和を保って生活していることに敬服した。日本では東京のような大都市であれ、石川県の農村地帯であれ、とても清潔・綺麗で、至る所に緑も見受けられた。日本人は環境を重視し、また大切に思っている。中国も目下、環境保護理念を声高に叫んでいるが、日本を見習うべきであろう。
  今後、またチャンスがあれば日本を訪れ、さらに豊かで多元的な日本文化をもっともっと体験してみたい。そして芸術・科学技術・経済などの分野で日本を深く理解したい。また、帰国後は中日文化交流の分野で微力ながら貢献したい。より多くの中国人に日本を理解し好きになってもらいたいし、文明的で近代的、そして友好的な日本の心を体験してもらいたい。

【第2分団(教育)】
  多くの中国庶民同様、私も来日前は限られた国内メディア報道やネット評論の論点、あるいは歴史の勉強といったルートを通じて、日本へのイメージを形成していた。今回の活動に参加し、この間の理解を通じて、まさに、生の日本社会における多方面の現状を感じ取ることができた。多くの具体的な方法は非常に参考になり、印象深かった。
  メディアの一員として国内メディアの発展の現状と憂慮すべき点を熟考し、日本の毎日新聞社を見学し、日中メディア懇談会に参加させてもらった。それによって、日本のメディアの発展の現状と当面の課題を知り、今後の伝統的メディアは如何に新興メディアの台頭による影響に対処すべきか、どのような対策をとるベきかを共に話し合った。同時に日本のメディアの経験、例えば、新聞はできるだけ早く伝達システムを打ち立て、大衆に信頼される誠実な報道力を培わなければならない、などの具体例を学ぶことができた。
  東京都教育庁のブリーフでは、東京都の教育システムの現状を理解し、また、日本の地方における教育資源が均等に配分されており、人材の極端な都市流入を避ける効果があると分かった。これは中国も参考になると思う。さらに、秋田市立明徳小学校と秋田県立秋田南高校の見学を通じて、学校のソフトとハードがともにすばらしく、日本の教育への投資と建設、政府の真剣な教育への姿勢は、我々メディア関係者を驚かせた。日本の教育建設は、小学校・幼稚園・高校ともに学校の基礎的施設のレベルが高い。またソフトの面、つまり、どのように総合的に資質の高い子供を育てていくか、どのように自主自立させていくか、生活面での技能を伸ばしていくかなどの面に多大な関心が払われているが、これは評価されるべきことだと思う。
  自ら青海玉樹地震を経験した記者として、私は、地震前の玉樹地区の建築と耐震措置に欠陥があったことを目の当たりにした。現在、中国の青海地区では新玉樹村の建設も進んでいるが、今後の防災分野でできることには当然限りがあるだろう。今回、日本で北区の地震の科学館を見学し、自ら模擬地震や模擬災害を体験して、日本には多くの防災施設があり、防災措置が取られていることを知った。また、防災にかかわる多くの常識を学ぶことができた。今後は、中国でも多くの国民にこうした常識や意識を養ってもらうべきだと感じた。また、中国国内の小学校や中学・高校でもなるべく早く、防災訓練を展開し、避難場所を建設し、相応の措置を取るべきだと感じた。この点で各メディアはみな、重要な責任を負っているはずだ。
  日本の都市の多くは交通量が多いにもかかわらず、交通秩序が非常に良い。特に東京のような国際的な大都市であっても、ひどい渋滞はほとんどなかった。日本の個々の車に対する規制や交通標識と表示のあり方、交通機関のインテリジェント監視・配置システムなどはみな、我が国の都市が参考として学ぶに値すべきものである。
  今回の日本訪問の収穫は大きく感慨深いものがあった。ただ一つ残念なことは、日程が大変忙しく、各方面での理解が浅くならざるを得なかったことである。もし、もう少し沢山時間がとれれば、学んだり参考にしたりできた事柄もより多かっただろうと思う。また、もっと多くの若者が日本を訪れ、今日の日本の優れた点を体感して欲しいし、今後の中日関係がより一層打ち解け合い、共に発展を模索できるようになることを心から願う。

【第3分団(防災)】
  とても楽しい旅であった。日本側の手配に感謝したい。
  私は第3分団のメンバーで、我が団のテーマは防災であった。四川省の被災地からやってきた記者として、汶川大地震の際、日本が多大な援助をしてくれたことに厚く感謝したい。
  日本も今年の3月11日に大震災が発生し、世界中が驚愕した。しかし、我々は今回の災害の中に多くの称賛に値する事柄を見た。まず、このような自然災害に対して、日本側は相当整備された対応システムを持っている。ただ、住民の防災意識は高いが、ハード面での損害が避けられなかったほか、多くの住民が不幸にして難を免れることができなかったことが残念である。
  さまざまな疑問を抱いて日本の土を踏み、日本の先進的かつ総合的な防災システムを学ぶことができた。第一に、人々の防災意識が非常に高いということだ。小学校から防災教育が正式な教育課程に盛り込まれている。特に印象的だったのは、日本では非常に血の通った教材が用意され、年齢ごとに異なる関連知識が学べるように工夫されている。第二に、日本では数百メートルごとに緊急避難場所が設置されており、被災住民が居住できる場所の確保もされているということだ。これはまた、被災地が自信を取り戻し復興に立ち向かうためにも積極的な役割を果たしていると思う。その上、どの地域にも防災学習施設が設けられ、人々は防災に関する多方面の知識を学ぶことができるし、防災体験や訓練にも参加できるようになっていることが印象的であった。訪日4日目、我々は2004年に新潟県中越地震を経験した長岡市を訪れた。ここで我々は、災害のもたらす非情さを身に染みて感じた。土石流に流され、押し潰された民家を目の当たりにして心が痛んだ。しかし、再建された住まいを見て、人々が今、幸せそうに暮らしていると分かった時、我々は日本国民の強さと前向きな姿勢を感じ取った。
  学ぶべき価値のある事柄や自国に持ち帰り周囲の人たちと分かち合うべき事柄があまりにも多かった。私自身も一つ一つこれを記録し、故郷の人々に今回の体験のすべてを伝えるつもりだ。とりわけ今回の訪問で私が印象深かったのは、防災分野に関することだけでなく、日本の記者たちと隔たりのない交流ができて非常に有益だったということだ。朝日新聞社の記者は、我々に「今後も中国の記者の皆さんとの交流を深めていきたい」と言ってくれた。確かに、伝える立場の者たちが相手を理解しなければ、両国の間に深い協力の基盤を作ることはできない。私は両国の未来には光が見えると信じている。
  

 
 
 
 
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