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2011日本青少年訪中代表団第2陣 団員の感想(高校生)
Cコース(千葉県・茨城県・東京都高校生)【北京-江西省(南昌)-上海】
「驚きの中国」
「この極端な違いをなくして、バランスを整えたらきっと世界中のギャップは無くなって平和な世界に近づけると思うわ!」この言葉は南昌でのホームビジットで私を受け入れてくれたホストシスターが言った言葉です。
私は今まで英語学習のためにフィリピンへ、修学旅行でアメリカへ行った際にも現地の学生とふれあう機会がありました。私は海外に行くと現地の方に必ず3つの日本語を教えることに決めています。その3つの日本語とは「いただきます」「ごちそうさま」「もったいない」です。
私は中国に着いてまず北京の寒さに驚き、その後の食事の量に驚きました。中国の食事の形式は、席に着いて少し経った頃に中華料理が1品1品ターンテーブルに並びます。まだ食べ終わらない間にも次々に料理は運ばれてきます。同じ机で食事をする人全員が食べ終わっても卓上には食べ切れなかった料理が並んでいるのです。その後残った料理はどうなってしまうのか。もし捨ててしまうのなら「もったいない」と思いました。「いただきます」「ごちそうさま」の無い文化など抱いた疑問をノートに記録して席を立ちました。ホームビジットに行くまで、北京や南昌で見たもの聞くこと、感じたことでたくさんの疑問を抱きましたが、全てメモしてホストシスターに質問することに決めていました。
南昌に着いて学校へ行き、慣れない中国語を使って挨拶をし、ホストシスターと対面しました。初対面の瞬間から彼女は私に微笑みかけ、腕を組んで席まで連れて行ってくれました。日本ではなかなかこのようなことは無いので、私は驚き、そして中国は日本に比べて人と人との距離が近いのかなと思いました。中国の人口は世界一を誇っており、日本にいるよりも多くの人に、そして様々な国の人に出会えるだろうから、このような文化になってきているのかなとも思いました。
ホストシスターは友だちを7人連れてきてくれ、私達は9人で行動しました。彼女達とは英語と、習って2年目の不慣れな中国語を使って会話をしました。学校での挨拶を終えた後に受けさせていただいた現地記者の取材や彼女達との会話の中で中国語学習に対する意欲と向上心が更に上がりました。また、彼女たちと接するうちに発見したことがたくさんあります。まず、海外に行った時現地の方々から私は一個人としてではなく、「一人の日本人」として見られます。自分の習慣やマナーが自国の文化やマナーだと理解されることを忘れてはいけないのだなと思わされました。次にホストシスターの家で昼食をご馳走になりました。民家にも中華テーブルがあることに驚きました。そこで私が抱いた中国文化に対する疑問を彼女たちに質問しました。すると、「なぜそれを疑問に感じるの?」と言わんばかりの不思議そうな表情を浮かべていました。私は中国で体験したものと同じ状況で起こる日本での場合を紹介し説明しました。すると、彼女達もその違いに驚いた様子でした。そんな話をしているうちに「これは中国の方がいいわ。でもこの場合は日本のやり方の方がいいわね。」などと比較しながら両国の良いところを賛美し合い、「より良い世界のつくり方」という話に発展しました。
中国では来客をもてなすために食べきれない程のごはんを用意します。しかし日本ではおもてなしをしてくれた主人の料理がとてもおいしかったということを表すために残さず食べきることが美徳とされています。だから「もったいない」を教えるととても驚いていました。これらの大きな違いは何を表しているのでしょうか?それはただ一つの物事を見る視点の違いだけではないのかと思いました。もったいないと言って少ししか出さなければ相手は不愉快に感じるだろうけれど、たくさん出しすぎると日本人は自国の文化から自身に染み付いた考え方から「もったいない」と思ってしまいます。ここで世界各国間のバランスを整え、差を出来るだけ無くすことが大切だという話になりました。
私たちが出した答えは、国の文化を変える事は人々の考え方として染み付いているものだから難しいだろうし、無理に変える必要は無い。良い文化は残し、受け継ぎながら他国の良い文化も柔軟に受け入れていくことが今後の世界には必要だろうということです。
彼女達とは半日も時間を共にしていないのに、昔からの姉妹のような感覚がしました。別れる時にはお互いに号泣し、連絡先を交換して帰国後も連絡をとり合っています。遠く離れた中国でも同じように勉強やスポーツなど夢に向かって頑張っている姉妹がいると思うとなんだか心強く、私も頑張ろう!と思わされます。
今回の訪中で人生における素晴らしい出会いをさせていただきました。「出会いは人生を変える」そう強く思いました。
また、鵜の目鷹の目で様々なことに興味を持って様々な視点で物事を考えることは大切なことだと学びました。
初めての訪中を経て、私はこれからもたくさんの語学や様々なことを学んで日本と様々な国との架け橋になりたいです。
(千葉県3年女子)
「中国が私に教えてくれたこと」
「中国という国の文化が無ければ、今の日本は全く違った文化の国になっていたでしょう。」
私は、漢文と中国史に興味があったので訪中団の話を聞いた時、中国を訪問できる絶好な機会だと思い志願させて頂きました。訪中団の一員として、採用がされた時は、ついに中国へ行ける夢が叶ったと、大変嬉しい気持ちになりました。訪中代表団員として中国で過ごした7日間は、今まで生きてきた中で一番充実した1週間だったと思います。自分というものを見つめ直し、また、違う視点で日本を見ることができました。
まず、感じたことは、中国の人は、自分の考えをしっかりと持ち、自分を積極的に出している人が多かったです。日本には、「出る杭は打たれる」という言葉があるように、他人の目を気にして自分を前に積極的に出せる人ってすごく少ない国なのだと感じました。初めは、このような性格の人に戸惑いもありましたが、そこが日本と中国の大きな違いなのだと気づきました。日本人の礼儀正しさや、他人を思いやる心を大切にしつつ、両国の良いところを互いに尊重していきたいと思いました。
次に、その国の良いところを見つけることの素晴らしさを知りました。国際関係と人間関係は、非常に良く似ていると思います。人に良くされれば、その人が好きになる。逆に悪いところを見つければ、次々に悪いところを見つけてしまう。中国を訪問する前までは、尖閣諸島問題など悪いニュースが報道されてしまい、中国に対しての悪いイメージが先行していました。しかし、ホームビジット先での中国人の方の心の温かさや、歴史的建造物などを見て中国の良いところを一杯発見できました。
日清戦争以降、日中の歴史は大きなキズを負ってしまっているのも事実ですが、今の私たちに出来ることは、そのキズを埋めていくことだと思います。世界中の国の良いところを互いに尊重しあえれば、必ず世界が一つの輪になる日が来ることを信じています。
最後に、千葉分団の皆さんに本当に感謝しています。これは一生の思い出になると思います。謝謝。
(千葉県3年男子)
「中国の文化と日常生活」
僕は今回の訪中代表団で『文化と日常生活』をテーマとして日本との違いを見てきた。そして、中国で見てきた文化を日本の日常生活にどう活かせるかを考えてきた。
中国滞在中、一番印象的だったのは交通面だ。大きな道路には沢山の車で混み合い、そこら中からクラクションが鳴り響いていた。クラクションを聞かない日はなく、日本の平和な道路しか見たことがない僕は、とても違和感を覚えた。しかし、事故が起こった様子がなかったことに、中国人の注意力の高さを知った。
また、什刹海体育運動学校の方々による武劇と雑技を通して中国人の注意力の高さに触れた。どちらもとても高度な技術が組み込まれており、命の危険と隣り合わせかのような出し物は、アクション映画を見ている時以上のスリルと感動を与えてくれた。あれほどのものを完成させるには、己の技を磨き上げるだけの努力や注意力、仲間を信頼できる心などが必要なのだろう。自分を含めた今の日本の学生たちを見ても、それらを十分に持っているのはごく僅かだ。もっと日常に緊張感を持ってもいいのではないかと、僕は思う。
緊張感を出す方法の1つの例として、武術を挙げたい。僕は武術体験で、武術で一番の基礎に当たる動きを教えてもらった。その基礎の始まりにも太極拳の始まりにも、礼の動作が技の一部に組み込まれており、中国人の武術に対する心意気がとても強く伝わってきた。今の日本では武術をする機会は決して多くはない。学校の授業で武術を行う時間も少なく、習い事として武術をする人がいるだけだ。日本にも剣道や柔道などの武の文化があるのに、それらに興味を持てる機会が少ないのはとてももったいないことだと思う。これは武術以外の文化にも言えることで、日本人はそれら日本固有の文化をもっと大切にしていくべきだ。
今回の訪問では、上手にコミュニケーションがとれなかったことなども多くあったが、次にこのような交流の機会にめぐりあえた時のために、外国語やその他様々なコミュニケーション方法をもっと身につけていきたい。そして、今回の経験をこれからの日常生活や将来に向けての教訓として活かしていこうと思っている。また、中国での体験を友達や家族はもちろん、高校生会でお世話になっている人達やボランティアで出会う子供たちにも伝えていきたい。
(茨城県1年男子)
「中国と日本の違い」
私はホームビジットで中国の学生の積極性に驚きました。話す言葉が違っても、中国の学生が私たちに積極的に話す姿勢が素晴らしいと感じました。私は日本人はコミュニケーションにおいて消極的だと感じているので、見習うべきだと思いました。
また中国の学生の勤勉さに驚きました。毎日多く出されている課題をこなし、さらに自分の必要な知識を取り入れようとしていました。その努力と姿勢が彼らの自信につながり、積極的な行動に反映されていると思いました。中国の人々は頭が良いと言われていることが納得することができました。日本の学生は「ゆとり教育」が導入され、与えられた課題だけやればいいという環境の中で、のんびりと生活しています。日本の学生はもっと視野を広げ、勉強に興味を持つべきだと感じました。
今、中国は経済面で大きく発展しています。この発展の基盤はやはり中国の人々の勤勉さだと思います。日本は中国の勤勉さを見習うべきだと感じました。
一方、中国ではごみのポイ捨てや大気汚染に気付きました。あまりのひどさに呼吸がしづらくなりました。日本はごみの分別やリサイクルに取り組み、また排出ガスを規制し、環境を少しでも良くしようと努力しています。中国は日本に環境への取り組みを見習うべきだと思いました。
また私は中国の人々に対して偏見を抱いていたと感じました。以前は、中国の人々は冷たいと思っていました。しかし実際にコミュニケーションを図り中国の人々に親切に接していただき、心の温かさを感じ、偏見がなくなりました。
私は、今回が初めての海外で緊張と不安でいっぱいでした。しかしこんなにも素晴らしいものになるとは思いませんでした。良い人たちにも巡り会えて、自分自身にとって良い刺激となり、貴重な体験になりました。この訪中で今まで考えていた進路が変わりました。いろいろな国の文化、経済や言葉を学びたいという気持ちが大きくなり、将来通訳の仕事に就きたいと考えています。今回の訪中でお世話になった方々に感謝しています。本当にありがとうございました。ぜひもう一度中国に行きたいです。
(茨城県2年女子)
「初めて知った中国」
今回の訪中は初めての海外旅行なのでとても不安を感じていました。さらに中国には、野蛮・治安が悪い・危険などの悪いイメージばかり感じていました。そして、中国に到着してバスから外を眺めていると「信号が赤にも関わらず走る車」「自転車にエンジンを付けて走る」など日本では考えられない車の使い方をしている中国の人々を見て、文化の違いも強く感じました。
このように旅の始まりは、悪いイメージと「文化の違い」などの不安ばかりでした。しかし、ホームビジットでそのような気持ちはすべて無くなりました。私が訪ねたご家庭で、中国の皆様がとても優しく親切に接していただきました。ご家族の方々と川に行き、記念写真の撮影や、広大な農地を散策しそこに群生している植物の観察やその説明をしていただきました。その後も街の中を見学に行くなど、大変有意義な時間を過ごすことができました。とても楽しい思い出になり、また大変良い勉強にもなりました。夜にはご家族と食事をいただき、日本文化の紹介や中国と日本の違いなど、様々な話題で会話を弾ませることができました。旅の前に不安と恐怖になっていた気持ちは、「もっとホームビジットがしたい」と思うようになりました。
今回の訪中で、中国の人々はとても明るくて優しい人たちばかりだということがよくわかりました。かつての私のように中国に悪いイメージを持っている人は大勢いると思います。しかしそれは、中国の人々を知らないからであり、私のように中国の方と多く接することにより、今までのイメージが払拭され、悪いイメージからとても親しみのある良い国である、というように必ず変わると思います。
私にとって今回の中国訪問は、文化の違いを知りました。そして、中国の人々の優しさも知りました。今回の体験は、とても貴重で有意義なものでした。これからも様々な機会に、中国の皆さんと友好を深めていきたいと思います。
(東京都2年男子)
「訪中を通して」
私は今回の訪中以前、中国という国に対しあまり良い印象を持っていなかった。尖閣諸島問題や鉄道の脱線事故など、ここ一年だけでも様々な事件が起きた。未だ数々の問題も抱える国であるが、現在急激な発展も進んでおり、今年中国のGDPは日本のそれを抜き世界第2位になった。「いずれ日本は中国に呑み込まれる。」そんな話を何度も聞き、脅威に感じていた。
中国に降り立つと、やはり近代化した整った空港を目にした。空港内の店舗の中には、日本にある店も見られ、なんとなく親近感を覚えた。移動中のバスの中からも見慣れた店を沢山見かけた。セブンイレブンや吉野家など、日本の会社も多く、近代化する中国が大きな投資先であるということを再認識した。また北京で私が特に感じたのが土地の広さである。普段見る都内のオフィス街は建物同士の隙間をほとんど開けずに所狭しに背の高いビルが並んでいる。一方北京は都会だと聞いていたにも関わらず、背の低い建物が点々とした感じだった。私たちが泊まったホテルも横に広がり、高さはあまり無いものの各階にとても多くの部屋が入っていて、かつ部屋の中は広々としていた。中国は国土的にもまだまだ発展の可能性を持っていること、そして都会にいても広い空を見渡せるということがうらやましく感じられた。
上海は北京とは一転し、日本の様な高層ビルも見られた。歴史ある建物と近代化した建物が混在したその町並みは、少し不思議な感じがした。中国が古くから栄えてきた国であると共に、近年急速に近代化を進める国だというのが象徴的に表されているように思った。
そして何より私の心に残ったのは人とのふれあいである。南昌でのホームビジットは一番の思い出になった。初めはなかなか上手く会話が出来ず、心細くて1日過ごせるのかとても不安だった。お互いに携帯電話を片手に辞書を調べながらのやりとりで、通じているのかいないのか分からず、とてもドキドキした。翻訳サイトを駆使してなんとか思いを伝え合い、散歩をしたり、街へ遊びに行ったりした。人通りの多い街中や横断歩道では私の手を握り、危険の無いようにしてくれた。会話を弾ませることはなかなか出来なかったが、気持ちが伝わったときの嬉しさや感動はとても大きく、同時に国際交流の難しさも感じた。しかし言葉だけではなく、表情や行動を通して心と心は通じ合えるのだと身を持って感じた。彼女を含め温かいビジット先の家族の皆さんにとても感謝している。また私は、中国側の生徒さん達の英語力の高さも感じた。私自身海外旅行経験が無く、頻繁に英会話をする機会が無いため断言は出来ないが、スラスラと発音の良い英語で話すことができていたように思う。あまり難しい単語は使っていなかったが、普段英語の授業でも意思を伝えるようなやりとりが行われることがほとんどない私は、なかなかそのペースについていけなかった。さすが学力世界一の国とも思ったが、同年代の子達が流暢に英語を話しているのを知り、危機感も感じた。
しかしそんな近代化や学力向上の一方で、路上に物売りの人が散在していたり、体に障害を持った人が路上で寝そべって物乞いのようなことをしていたりと、生活の為の人々の現状も目の当たりにした。人口が多いだけあって上流層と下流層の差もとても大きいと聞いていたが、本当にその通りだった。日本も同様に大きな経済格差があると聞くが、実際に身近にそれを感じることがほとんどなかったためとても衝撃的だった。
今回の訪中を通し、言葉じゃ言い表せないようなことを肌で感じ、体感してきた。中国に対するイメージは、やはりと肯定できるところもあれば、想像と違うところもあった。しかし私は良いところも悪いところも含めて、中国という国が好きになった。また恵まれたこの国や人に負けないよう日本も私自身もより頑張っていかないといけないと思った。
(東京都1年女子)
Dコース(兵庫県・岩手県・大阪府高校生)【北京-山東省(済南・煙台・青島・曲阜)】
「似ているけど違う中国と日本」
中国についたとき、空は雲しかなく、空気は乾燥していて、道路状況はまだまだ設備されていませんでした。この風景がまだ頭にぼんやり残っています。いろんなことを知り、発見しようと思いながら1週間が始まりました。
この旅で、まず自分の中で印象に残ったのが中国の文化でした。歓迎会に行くたびに中国側の人たちは踊ってくれたり、歌を歌ってくれたりしてくれました。一方僕たち日本側は日本の文化的なものを1つもできる人がいなく結局、はばたんダンスをやることになりました。ここに日本と中国との差があったのではないかと思われました。中国には他の国にみせることができる文化があるのに日本にはないのです。この旅で、日本にも自信を持って見せられる文化を1つぐらい持つことが大切なのではないかと思いました。確かに文化を見せられるということはすばらしいことですが、カンフーなどは将来どのように生かすのか全くわかりませんでした。
もう1つは大学に入るため競争率の高いことにびっくりしました。1つ目に行った学校では通学の時間が無駄だということで、生徒全員寮生活なのです。小学生も寮生活と聞いたときは本当に驚きました。中国では、学年が上がるごとにテストがあり、点数が合格点に達していないと落第になってしまうという制度があるため、生徒たちは必死に勉強しています。今は一人っ子政策や大学が増えたため昔よりは競争率も少しは低くなったといえ、この厳しい戦いに生き残るために通学時間ももったいないのです。もちろん寮にはテレビなどもなく、僕たちにとってテレビがないことは考えられません。この落第制度を日本の学校に入れてみればよいかと思いました。その学年の勉強についていけていないのにそのまま進級してその学年の勉強を理解することは不可能に近いからです。受験勉強は大変だと言っている僕らより同じ中国人の高校生のほうがはるかに厳しい環境の中で日々頑張っていることに気付きました。しかし、本当にこの大学に入るための勉強だけをしてよいのでしょうか。受験勉強だけに目がいってしまって、視野が狭まっているような気がします。自分がしたいこと、もっている才能を十分に発揮できなくなってしまいそうです。
この中国の旅では、たくさんのことを学ばせていただきました。特に印象に残ったのを書きました。実際に行ってわかったこと、いろんな疑問もありました。ガイドさんも尖閣諸島などの話もまともに受け止めて、答えてくれました。中国ではこんな話をしてはいけないと自分のなかで思いこんでしまっていました。最後にガイドさんからの言葉を聞いて改めて中国の見る角度を変えようと思いました。「国と国の間ではいろいろと問題があるけれども人間関係ではうまくやっていける。」中国人からその言葉を聞けてほっとしました。
(兵庫県1年男子)
「-Nattou-」
日本は日本人の感覚で中国を理解しようとし、たくさんの王さんのお話の中で、私は一つとても印象的なものに出会いました。
何年も前、王さんが日本で暮らしていたとき、日本食の一つである”納豆”がとても苦手だったそうです。すると、そのことを知った王さんの上司は「納豆を好きになれないなら日本を心から好きになることはできないよ!」と王さんに話しました。私は深い言葉だと感じました。自分が好きな食べ物の中に、もし苦手なものが入っているとしたら、その料理自体が少し嫌に感じてしまうことと似ているように思えます。そしてその日以来、王さんは”納豆”に対する苦手意識を無くし、食べることを拒まず、きちんと最後まで完食するようにしました。そうした今では、納豆が自分の好きな食べ物の一つにさえ加わり「納豆は体にとても良いし、素敵な日本食だよね!」と笑顔で私たちに言って下さいました。
「苦手」という言葉は、自分の努力や意識次第で、国々の文化、国境を越えてまでも「好き」という言葉に変えることができるんだなぁ、と思いました。
私は日本でのニュース、新聞等のマスメディアを通して、訪問前は中国に対しての少し悪い印象を抱くこともありました。バスに乗っていた時に、男性がお年寄りの女性にすかさず座席を譲る光景を見て、少し驚いてしまうほどでした。現実は、私の浅い考えと違っていました。
この中国への訪問では、日本で流されている情報には誤解が多いことも学びました。「本当のことを知らず、自分の中で情報を決定化することが1番こわい。」という王さんの言葉を、日本の皆に聞いてもらいたいと思います。実際、日本を旅立った時の私と、中国から帰国した今の私では、何かに対する考え方を良いように変えることができました。
自分と全く同じ人は存在しない世界の中で、皆の容姿や性格が違うように、苦手な所も好きな所も皆それぞれ違っていて当たり前で、たくさんの意見があって当たり前。しかし、王さんのように“もう一人の誰か”の言葉を自分のステップにできたなら、もっともっと素敵な世界になっていくだろうと思います。
“納豆”と同様、自分にとってプラスに考えることができないものへの苦手意識、また、踏み入ることを恐れてしまう気持ちを捨て、“まずは自分から”立ち向かってみること。その思いを胸に、私はこれからも世界への愛を広げていきたいです。(兵庫県1年女子)
「訪中団に参加して」
私が今回の訪中に参加したいと思った理由は、中国で多くの友人を作り、北京オリンピックの開催など目まぐるしい発展を遂げている中国の街並みや人の様子をみたいと思ったからです。そして今回の訪中を通して、今までの自分の生活では感じることができなかったこと、学んだことがたくさんあります。その中でも学校訪問・ホームビジットでは中国の同じ年代の子との交流を通じて文化の差やこれから真似たいところがたくさんありました。中国の私と同年代の子たちは積極的に日本語を学んでいて将来の夢や行きたい大学がすでに定まっていました。私は将来自分がなりたい職業、行きたい大学はあまり考えたことがありませんでした。しかしホームビジットで自分のしたいことなどを見つめ直すいい機会になりました。
今回中国の多くの文化にふれることができました。天安門広場では毛沢東や中国の習慣、歴史などについて学びました。故宮博物院では最近世界史でならった永楽帝が住んでいた場所など中国の歴史の深さを感じました。
食文化や普段の生活でも日本との大きな違いがありました。食事は基本的に円卓で食べて油っこいものが多いなと思いました。油っこいものとセットで必ずお茶があるのも印象的でした。野菜も日本では生のサラダで出ることのほうが多いですが中国は炒めものが多かったです。地震があまりない国なので高層ビルが多く、車の通りも多く、日本にはない光景に驚きました。生活の違いを一番感じた場所はトイレです。トイレットペーパーは基本的にはなくて自分で持参しなければならなかったり、ドアが無いトイレもありました。正直水洗トイレしか使って来なかった私は慣れるのにとても苦労しました。生活の違い、街並みの違いなどは多くありましたが、中国の人たちはとても優しい人ばかりでした。今回の体験を通して学んだことをこれからの生活に生かしていきたいと思います。
(岩手県2年女子)
「思いの変化」
今回、中国へ派遣していただきありがとうございました。
私は、中国という国に行くまで反日運動など日本人を嫌い戦争のことなどを憎んでいると思っていました。あと、中国は空気などが汚く日本のような青い空が見えないと思っていました。
しかし、中国に行ってみると、自分の考えや中国への思いはまったく違うものへと変わりました。中国の人々は日本人を嫌うどころか、積極的に話しかけてきてくれたり、コミュニケーションを自ら取ってくれました。特にホームビジットで訪問した家族がとてもよくしてくださり、中国の観光地にたくさん連れて行ってくれました。あの時の優しさは決して忘れる事の出来ない一生の思い出になりました。言葉の通じない国で身振り手振りのジェスチャーや片言の英語で通じた時の感動も忘れられません。
中国の空気は、確かに排気ガスなどで濁っているところもありましたが、オリンピック会場前の青空と夕日は日本以上にきれいですごく印象に残っています。
私は、中国という国に行ってもいないのに、人から聞いた話やニュースなどの情報で悪い印象を持っていました。しかし、それは、行ってすぐに変わり、また行きたい国だという思いに変わるいい訪問でした。
私は今回の行事で岩手県の生徒団長という大役を任せられ、最初は自分なんかには無理かなって思っていましたが、中国に訪問し実際に団長の仕事を終えてみると達成感がすごくある仕事でやってよかったと思いました。
武術体験など中国の文化に実際に自ら触れ、学び、考えて中国のいいところをたくさん学ぶことができました。
これから、中国とは良いことでも、悪いことでもいろいろな場面で接する機会があると思います。そんな時に、何も知らない日本人に「中国とはこういう国でとてもいい国なんだ」ということを伝えるのも私たちの役目の一つだと思うので、日中の友好関係の架け橋なれるように学んだことを伝えていきたいと思います。
(岩手県2年男子)
「中国訪問で感じたこと」
この7日間を振り返ると、私は本当にたくさんのことを学べたと思う。中国に行く前は文化や生活習慣の違いはあると思っていたので、不安もあったが、行ってみると私達日本人をあたたかくもてなしてくれたりした。私がこの七日間で一番印象に残っていることは、学校交流とホームビジットだ。最初に交流した外国語学校の生徒は一年間しか日本語を習っていないのにすごく上手だった。英語は本当にペラペラだった。私は中学の頃からずっと英語をやっているのに、全然話せないので恥ずかしかった。そして、英語の重要性を再確認した。
ホームビジットでは、私のホストファミリーの男の子が日本語が上手で助かった。私は済南で有名な泉に連れて行ってもらった。泉についての説明がすごく分かりやすかったし、話を聞くのが楽しかった。それと同時に私にはできるだろうか......と考えた。私にはきっとできないと思う。日本のことや、地元のことについて私はほとんど何も知らないのだ。ホストファミリーの家族の方は、本当にあたたかくて優しかった。言葉が通じなくても、相手をわかりたいと思う気持ちと、相手を思いやる気持ちと笑顔があったら伝わるんだと思った。
次に行った学校は、外国語学校ではないので大丈夫かなと少し不安だったが学生の方は私達と比べものにならないくらい英語ができて、すごくおどろいた。私が仲良くなった子は、同い年だったのでいろいろな話をした。私の下手な英語を一生懸命聞いてくれて、理解してくれたので本当に嬉しかった。
私がこの交流を通じて感じたことは、他国を理解するには、まず自国をよく理解しないといけないということだ。私の出会った中国の方は自国についてよく知っていた。そしてそれについて意見を持っていた。他国に興味を持って、知りたいと思う気持ちは大切だと思うけど、その前に自国の文化や歴史について知り、考えて意見を持つことが大切だと思う。
中国は伝統的なものも多く、歴史がある国なのですごくおもしろかった。ガイドさんが5年後、中国はすごく変わっていると言っていたのでまた行きたいと思う。こんなにも多くのことを学んだ私は、まわりの人に中国の良さを伝えなければいけないと思う。私の話を聞いて、私のように中国に対して興味を持ち、そして中国が好きになってくれる人が一人でもいればいいなと思う。
(大阪府1年女子)
「明日の日中関係のために」
私は、今回青少年訪中代表団第2陣への参加を通し、日中の伝統や食といった文化の違い、今中国の抱える様々な問題、中国の学生生活など、机に座っているよりもずっと多くの、価値のあることを学ぶことができました。
その中でも最も大きなことは、中国の国民も日本の国民も同じ「人」であるということです。今まで私は、国が違う、国の枠組みが違う(自由主義と社会主義)日本と中国では、同じ「人」でも全く違う「人」であるような印象を抱いていました。ですが、今回その勝手な印象が大きく変わったと思います。学校交流の際、ホームビジットの際、その他現地で交流した人みんなが、日本人と同じように話し、同じように笑っていました。ホームビジットで訪問した家庭では、私を一人の客人として迎えてくださり、国なんて関係なく、家族とはただ温かい、柔らかいものだと感じました。また、互いの家族や言葉について話し、一緒に餃子を作る中で、その家庭の中学生の女の子…年齢も国籍も違う女の子と本当に仲のよい友だちになりました。そして、国が違うというのは、同じ国に住む友だちより、少し会うのが難しいというだけの違いだと初めて知りました。その彼女とは、今後もインターネットを通じて連絡を取り合い、またいつか会いたいと心から願っています。
日中友好のために何より大切なことは相互理解、互いを知り興味をもち、その上で理解することだと思います。ただし、この「知る」とは本を読んで覚えることではなく、実際に現地へ赴き、相手国を肌で感じることなのです。少なくとも私は、この経験を通じ、中国に対しよい印象も悪い印象も、そして何より興味を持ちました。互いの国民一人一人が互いの国に興味を持つだけでも、日中関係は大きく前進すると思います。
私はこれから中国について色々と勉強していくつもりです。そして身の回りの人に中国を紹介していきたいと思います。それが自分の国と友だちの国の友好のための確かな一歩だと信じて。
(大阪府1年女子)
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