公益財団法人 日中友好会館 JAPAN-CHINA FRIENDSHIP CENTER
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総合交流部
 

平成23年度 中国青年メディア関係者代表団 第3陣 団員の感想

 
 

【第1分団(ネットメディア)】

(1)最も印象深いこと
来日して最も印象深かったのは、日本人は“規則正しく、礼節を重んじ、清潔好きである”ということだ。日本の街並みを歩いていると、ガラスはピカピカで空気は新鮮。早足で行き交う人々は、車がほとんど通らない細い道路でも赤信号を守って立ち止まる。規則正しさを至る所で感じた。

(2)メディア交流の感想
今回、NHKやヤフー株式会社など数社のメディア関連機関を訪問し、日本のインターネット、新聞などメディアに対して理解を深めた。ヤフー株式会社では、2名の職員の方が分かりやすいPPTと資料で、ネットメディアの現状や関連企業の株式会社GyaOの動画配信状況などについて詳細に説明してくれた。中でも、Yahooニュースが他メディアと業務提携をしている点が特に印象深かった。ヤフー株式会社では、自社でニュースの取材や編集を行わず、全国および地方の新聞社やテレビ局からニュースの提供を受けている。それと同時に、同社はパートナーに広告ネットワークやクラウドシステムなどのサービスを提供している。こうしたウィンウィンの協力関係が成功の秘訣であるとの説明がとても鮮明に心に残っている。我が国のネットメディアは、こうした点ではまだ遅れており、学ぶべきであると思った。また、同社で配布された資料に紹介されていた円グラフが気になった。そこには、近年のメディア広告収入の推移が示されており、ネットメディアだけが上昇を続けていた。中国でも日本でもネットメディアは順調に成長を遂げており、人々の生活や仕事に与える影響も日々大きくなっていることを改めて認識した。
  NHKの訪問も大変印象深い。シアターで映像を鑑賞し、東日本大震災時の報道から、NHKの真実を伝えようとする理念がよく理解できた。スタジオパークの見学では、スーパーハイビジョンテレビの先端性に驚き、日本の科学技術の発達に目を奪われた。さまざまな趣向をこらした展示、小さな子供でも思わず惹きつけられ触ってみたくなるような工夫が施されていたのがすばらしかった。正しく“大人から子供まで”“遊びながら学ぶ”スタジオパークだった。16日には神奈川新聞社を訪れ、地方紙の直面する挑戦や今後の方向性などに関して話を聞いた。新しい時代に入り、旧来の新聞のスタイルは不断なる改革と創新を迫られており、時宜に叶った変革を行わずして楽観的な将来は描けないことが分かった。

(3)日本側のスタッフ、すべての皆さんが本当に一生懸命に心を込めて対応してくれた。また、訪問先のメディア関係者の方々は根気強く説明してくれた。心から感謝を申し上げたい。今後、両国間でこうした活動が多く続くことを願って止まない。

【第2分団(ハイテク医療)】
  多くの中国人にとって日本は特別な国である。中国人の日本人に対する感情は複雑だ。日本の発展と近代化という側面、そして両国の歴史的怨念と現実との矛盾という側面が存在する。また、日本はアメリカ追随の外交政策を取っているとして、多くの中国人は日本を西側勢力として中国を牽制するグループの一員と見ている。そのため、日本政府の政策に対する批判の声も頻繁にメディアで見受けられる。
  今回、中国青年メディア関係者代表団の一員として日本を訪問する機会を得て、日本のメディア・企業・観光名所を訪れ、日本の各界の方々と交流できた。最も印象深く残っているのは、イデオロギーの違いを除けば、両国民の友好感情は共通だということだ。両国政府が打ち出す国民感情向上の目標も実現できると感じた。
  日本滞在の2日目はNHKを訪問した。シアターで見た短編映像の中に、東日本大震災時の津波の画面が映し出され驚愕した。津波は恐ろしい勢いで家々を飲み込み、多くの人々の命を奪い去った。こうした危機の中、一人の日本人が自己の命を犠牲にし、漁業技術を学ぶため現地で生活していた中国人研修生の命を救ったことを知り、大きな感銘を受けた。このような危機にあってこそ、人の偽りのない真心が表れるのだ。震災後、中国政府は日本に対し支援を行い、救援隊を現地に派遣した。温家宝総理も自ら被災地を訪問した。同じように2008年、日本の救援隊も汶川大地震後の救済活動に従事してくれた。
  災害時に人道主義の精神で助け合う以外に、中日両国民は日常生活でも共感できる部分があるはずだ。東京で目にした急ぎ足の地下鉄の乗客は、北京のそれと何ら変わりがない。また、三国志に造詣が深い国会議員の方との交流から、中日平和友好への熱い期待を感じた。外務省省員との交流では、さまざまな文書の起草に徹夜も常であると聞いた。日本経済新聞社の経験豊富な記者からは、業務上でミスを犯した際には反省文を書くことがあると教わった。テルモ株式会社では、南方のアクセントはあるが非常に流暢な中国語を操る職員の方が早朝から私たちを案内してくれた。会社から自宅が遠いため、会社の寮に前泊して備えてくれたとのことだった。こうした一般の人々の生活には共鳴する点が実に多かった。異なる二つの国家ではあるが、あたかも一つの国民のようにお互いの経験を紹介し合い、普段の生活の悩みや喜びを分かち合えたことは、大変有意義で貴重だった。
  我々の第2分団のテーマは「ハイテク医療」だった。テルモ株式会社、神戸の先端医療センターでは、中日両国の医療分野における協力の大きなポテンシャルを感じた。テルモ株式会社が研究開発している血管造影や人工心臓の技術は、血管病患者に福音をもたらすだろう。また、ヘッドの本当に細い無痛針は長期的にインシュリン注射が必要な糖尿病患者の苦痛を和らげるだろう。先端医療センターの発展理念と先進的技術は、中国の医療基地の構築の参考となり、良い模範を示してくれた。
  協力関係を強化しながら両国国民の感情を促進し、協力の過程でさらに相手に対する感情を深めていく、こうした好循環が生まれれば、両国関係は健全な発展を進めるだろう。中日関係は歴史認識・領土問題・経済利益問題などで難題を抱えていることは事実である。しかし、これらの構造的矛盾が両国民の心の交流の妨げになってはならない。両国政府はこれらの問題の複雑さをしっかり認識した上で、さらに胸襟を開いた話し合いをしてもらいたい。我々は在日中国大使館職員や外務省省員の皆さんとの交流で、両国がこれらの敏感な問題を回避せず、順調に話し合いを進めていることを知った。
  2012年は中日国交正常化40周年である。両国はこれを機に、人的・文化的交流を深め、国民感情を向上させ、国民の偏見を徐々に取り除き、両国関係にとって一層良好な世論環境を創り出すべきだ。そのためにメディアの交流活動を引き続き展開し、多くの中国メディア関係者が日本を訪問し、同じように日本メディア関係者にも中国を訪れてもらいたい。中国を自ら訪れることで、必ずや中国に対してさらなる理解が深まるはずである。  
  

 
 
 
 
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