平成23年度香港・澳門高校生訪日団 団員の感想
【香港高校生】 ●訪問先の2校は建物が古かったけれど、学生たちが僕たちをとても温かく迎えてくれたことが心に残っています。初めて会ったにもかかわらず、言葉の壁を超えた仲間になれたこと、僕たちに良い思い出を残そうと、交流イベントのため一所懸命準備してくれたことなど、とても嬉しく思いました。 熊本に到着してから、ホームステイをするということを知ったけれど、僕は心配するどころか、むしろワクワクしました。夕方熊本に着き、僕はホストファミリーに迎えられ、養護施設で催されたクリスマスパーティーに招待されました。これから二度と会うこともなくなるかもしれない僕のために、心をこめて準備してくれ、本当の家族の一員として接してくれたことにとても驚きました。僕が使う日用品を用意していてくれただけでなく、夫妻が一番大事にしていたものまで僕にくれたことに、とても感激しました。特に、平和や歴史についてお二人の考え方や自分たちの個人的なことまで話してくれた時、本当の家族であるかのような温かさを感じました。別れ際は声を出して泣いてしまいました。わずか一日ちょっと一緒に過ごしただけですが、ホストファミリーは僕の本当の家族だと心からそう思います。 (香港 2年 男子) ●ホストファミリーはとても親切で、見ず知らずの私達をまるで実の子供のように真心から接してくれました。生け花に連れて行ってくれたり、おにぎりやプレゼントをくれたり、ご飯を食べに車で連れて行ってくれました。一番忘れられないのは、ホストファミリーのお母さんが夜、私達の寝静まった後に台所を片づけ、翌朝早起きして寒い中、朝ごはんの支度をする姿でした。それは日本人の誠実さと客へのもてなしの心を私に体感させてくれました。またお母さんは私とお別れする時に涙を流して別れを惜しんでくれ、とても感動しました。観光名所を見に行っただけではなく、ホストファミリーと一緒に郊外へ出かけて、本当の日本の生活をより身近に体験できました。 学校交流については少し時間が短かったので、日本の学生とあまり深い交流ができませんでした。でも日本人の温かい笑顔と親切さを感じ、言葉のコミュニケーションの壁を乗り越えて、一緒にバドミントンや縄跳び、パフォーマンスをしました。授業体験では、日本の学校制度への理解を深められました。 名所旧跡は雄大で壮観でした。まるで昔の日本、江戸時代にいるかのようでした。特に熊本城は保存状態もとても良く、観光客はたくさんいましたが、秩序は守られていました。保存費用は観光客によるもので、一定の金額の寄付をすれば、自分の名前を城主として刻めるそうです。これは相互にメリットがあり、持続的に発展できると思います。香港でも参考にすべきで、経済の発展のためだけに文化遺産や人の思い出や歴史を犠牲にすべきではありません。また、阿蘇山の風景はまるで絵のように美しく、火山が煙を吐く景色はとても壮観で、大自然の織り成す神業的な力を感じました。展望台に立って山の下の風景を眺め、心が和み、熊本県が設立した火山博物館では、環境保護のための知識を学びました。 (香港 2年 男子) ●ホームステイと学校交流から、私は日本人の人に接する態度を高く評価しています。彼らはどんな時でも礼儀正しく、他人を尊重し、辛抱強く人と接します。その態度は私達だけでなく、全世界の人達が学ぶべきものであると思います。私もこの「心連心」という優れた場を通じ、日本の学生と末長い友情の輪を必ず結ぶ事ができると信じています。 二重橋と熊本城の見学を通じて、日本の優雅な文化、日本の歴史に対する保護がとても素晴らしい事に気付きました。さらに阿蘇のような美しい風景には、本当に驚き感心しました。「世界の水事情」というセミナーでは、日本の物事に臨む態度がとても真剣で繊細であるという事がわかりました。日本人は生活の細部に至るまで、少しもいい加減な所がありません。だから私も若者として責任を肩に負い、世界のために力を尽くさなければならないと感じました。 (香港 2年 女子) 【澳門高校生】 ●ホームステイで過ごした二日間、私は日本人の心のこもったおもてなしと、お客様優先の態度をとても感じました。日本と澳門の文化と生活習慣について語り合い、生活の細部まで深く理解する事ができました。日本人の心のこもった礼儀正しい客への接し方は、学ぶに値すると思います。 学校交流では、日本の学生と一緒に授業を受け、剣道や茶道など奥深い日本文化を取り入れた授業を体験し、深い感銘を受けました。また学生と交流し、生活の面白いエピソードをたくさん語り合いました。今回の交流はお互いの友好を一層促進させたと思います。 また今回、ホテルや学校、街中ではもちろんの事、コンビニで買い物をする時でさえ、日本人からいつも礼儀正しく「ありがとうございました」と言われました。そうした人に接する時の品のある態度には本当に感動させられます。日本人の伝統文化に対する保護と、細部に対する追求も私達が学ぶに値するものです。彼らの少しもいい加減な所のない態度には感心します。今回の交流でたくさんの事を学び、帰国後は必ず今回の経験を他の人達と分かち合いたいと思います。 (澳門 2年 女子) ●ホームステイと学校交流はとても得難い貴重な機会となりました。今後、訪日する機会は数多くあるかもしれませんが、短期滞在の旅行は、日本人の生活を本当に理解する上ではあまり役に立たないと思います。ホームステイはホテルに泊まるよりも温かみがあったし、ホストファミリーとの会話を通じ、私は日本文化と生活習慣をより深く理解する事ができました。日本の学生と話す言葉は違っても、コミュニケーションを諦めなかったことで、とても多くの収穫があり、お互いの距離を縮め、日本の全体像をより理解する事ができました。もしもたった一人で日本に旅行に来たら、ほとんどの時間を買物に費やし、日本文化を見落としてしまうでしょう。今回の交流では多くのセミナーを聞き、環境保護の施設や名所旧跡などを見学して、私は日本文化に対する理解を更に深める事ができました。 (澳門 1年 女子) 【日本高校生の感想】 ●「グローバルな中国」 私は国際交流で中国の方々が来ると聞き、正直良い気持ちはしませんでした。日本は現在、中国と尖閣諸島問題を抱えていたり、昔から中国は日本に対して良いイメージを持っておらず、今でも反日教育をしているということを私は知っていたためです。なので私自身も中国に対して良いイメージを持っていませんでした。しかし、香港・澳門の高校生と国際交流を通して私は中国へのイメージや偏見がなくなりました。彼らはとてもフレンドリーで日本との問題を気にすることなく優しい日本語で話しかけてきてくれました。そのお蔭ですぐに仲良く打ち解けることができました。そして私が驚いたことは日本語と英語を流暢に話せることでした。同じ高校生なのに一カ国語しか話せない私はとても恥ずかしく、中国の方々の勤勉なところや国際意識を見習おうと思いました。 貴重な体験が出来たのは遠方から来て下さった中国の方々と学校のお蔭であり、このことをきっかけに私も勉学や国際意識を高めていきます。本当にありがとうございました。 (東京都 3年 男子) ●「一期一会」 11月に訪中団の一員として中国を訪問したわたしにとって、今回の学校交流は、中国との繋がりをより一層深めるいい機会になりました。今回交流した香港と澳門の高校生の皆さんは誰もが流暢な英語を話し、また、学ぶ意欲に満ち溢れた姿が、急速な経済成長を遂げた現在の中国を物語っているような印象を受けました。訪日団側のパフォーマンスでは、あまりの出来の良さに自分が中国で披露したパフォーマンスの内容が乏しかったことを自覚して恥ずかしくなってしまったのが正直な感想です。訪日団の皆さんとの会話を通して、香港と澳門のことをたくさん知ることができて良かったです。今までの香港と澳門に対する印象は、香港は屋台で澳門はカジノと単純なものでしたが、今回の交流でわたしの知らなかった香港と澳門の魅力を知ることができました。次に中国に行くときは香港と澳門を訪ねたいと思います。今回こうして訪日団の皆さんと出会えたことは偶然ではないと思うので、この縁を大切にしていきたいと思います。 (東京都 1年 女子) ●「あっという間の一時」 最初に香港・澳門から高校生がくるという話を聞いて楽しみという気持ちよりも、不安の方が多かった。言葉が違うから、どう接していいかわかんなかったし、どういった話をしたらいいかわかんなかったからだ。 二学期の期末テストが終わり、いよいよ香港・澳門から高校生がくる日になった。その日の5時間目までの授業を受け、交流会が行われるセミナーハウスに行くと、みんなそろっていた。交流会のスタートだ。まずは、簡単な自己紹介。僕らが終わったので香港側の人たちの自己紹介を聞いた。ほとんどの人が英語で話す中、日本語を上手に話す人がいた。何人かは話すことのできる人がいるだろうと思っていたが、予想よりも多くの人が話すことができたのでびっくりした。自己紹介が終わると今度は出し物。僕らは「だるまさんがころんだ」をやった。向こうにも似たような遊びがあるらしく、みんなで盛り上がった。次は香港。SMAPの「世界に一つだけの花」を中国語バージョンと日本語バージョン両方で歌ってくれた。とっても上手だったので、僕もついつい口ずさんだ。両方の出し物で交流会の緊張感が和らいだところで、いよいよ最後のプログラム、プレゼント交換&雑談タイム!!僕は初めプレゼントの準備をしていると、日本語を上手に話す男の子が話しかけてくれた。その子と話し込んでいると、女の人が僕に声をかけてきた。彼女は日本語を話すことはできなかったが、英語がめっちゃペラペラだった。話してる時に、「一緒に写真を撮って下さい」と言ってきたりする人もいた。 楽しい時間もあっという間に過ぎてしまった。交流会も終わり、香港・澳門の人達を送り出す時間になった。僕たちも、香港・澳門の人達も最後は打ち解けていい笑顔だった。来年も交流したい。 (熊本県 1年 男子) ●「短かった2日間」 今回が初めての留学生受け入れだったので、言葉が通じるかどうか、料理が口に合うかどうかなど、ホームステイ中でのことが心配でした。でも会話では自分が知っている単語を拾い、つなぎながらだいたいを理解したり、絵や漢字で表現したりしました。また母が英語を話すことができるということで、嘉碧も安心できたり自分の思いや考えを言えたと思います。1日目は一緒にYou Tubeで2AMや日本のアニメについて見たり、日本と香港の学校生活の違いについて話しました。2日目の朝の朝食で、「すきやき」のふりかけに興味をもったらしく、私たちはお土産にふりかけセットをあげました。また、球磨川下りでは、八高生のもう1つの別の家族に会い、偶然だなあと思いました。球磨川下りは約90分ありましたが、ビニールシートの屋根やこたつがあったので温かかったです。次に球泉洞に行きました。香港には鍾乳洞がないらしいので、興味津々に写真を撮っていて楽しそうでした。お土産には梨ジャムとお菓子を嘉碧が買い、私たちはパウンドケーキを買いました。 家に帰ったのが2時で、お別れの時間が来たのはあっという間でした。嘉碧からクリスマスカードをもらい、私たち家族への気持ちとお礼が書かれていました。また、メールアドレスも書いてあり、私と嘉碧はこれから連絡をとりあおうと思います。嘉碧がバスに乗り行ってしまい家に帰ったあと、急に寂しくなり、あれは夢だったのか、もう会うことができないのかと感じました。私の家は日頃からあまり人を呼ばないので、彼女が家に1泊したことはとても大きなことだったと思います。 今回のホームステイを通して、私は英語を話すことがまだまだだと知ることができたし、海外に友達ができました。なので、もし英語をある程度理解し話したりできるようになったら、嘉碧の家に遊びに行きたいです!!! (熊本県 1年 女子) ●「国境を越えた友情」 私は今回のホームステイ受け入れを終えて、いろんなことを学びました。私の家にホームステイに来た友達の名前はセルスです。セルスはとても明るく、積極的に私や私の家族に話しかけてくれて、言葉が違うという問題はありましたが、セルスは、母国語の他に英語や日本語も話せたのでコミュニケーションがすぐにとれました。食事の時は、日本と香港の文化の違いや習慣の違いなど楽しく学ぶことができました。二日目、私はセルスと家族とショッピングに行きました。とても喜んでくれていたのでよかったです。そしてお別れの時、最初は、二日間という短い間だったのでそんなにさみしくなることはないと思っていましたが、セルスがバスに乗ったとき、とてもさみしくなり泣きそうになりました。そして私とセルスは再びまた会うことを約束し、私は笑顔でバスを送り出しました。私は、留学生のホームステイという、異文化交流を通して、言葉は違っても心と心でコミュニケーションがとれ、それが国境を越えた友情につながると思いました。 (熊本県 1年 女子)