平成22年度日中次世代幹部交流訪日団第2陣が来日 「環境保護・省エネルギー」をテーマに視察
10月31日から11月6日までの日程で、平成22年度日中次世代幹部交流訪日団第2陣 環境・省エネ視察団(団長=李幹傑・中華人民共和国環境保護部副部長)が来日した。 本団招聘事業は、平成19年度より、外務省が推進している「21世紀東アジア青少年大交流計画(日中21世紀交流事業)」に、平成22年度より700名の交流拡大が決定され、そのうちの1分野として、当財団が外務省から委託を受け実施したものである。8月の第1陣に続き、今回、第2陣が来日した。 一行は、次代の日中関係に貢献しうる中国国家行政機関および企業の中堅幹部112名で構成され、東京のほか北九州市、京都を訪問した。訪日中は「環境保護・省エネルギー」のテーマに基づく講義、視察等、様々なプログラムに参加し、包括的な対日理解を深めた。 11月1日に開催された当財団主催の歓迎レセプションは、伴野豊外務副大臣、李纓中華人民共和国駐日本国大使館科学技術処参事官らが出席し、賑やかに行われた。伴野豊外務副大臣は、日本がかつての公害という失敗から得た知恵を、是非とも中国で生かし、次の世代の子供たちのために素晴らしい地球環境を残せるよう日中両国が力をあわせようと挨拶した。 また、李幹傑団長以下代表者は、11月2日に近藤昭一環境副大臣を表敬訪問した。 北九州市や京都で環境問題について見識を深める 一行は東京で、今回の訪日テーマに基づき、関係省庁のブリーフや環境施設視察を行った。外務省分科会では、「生物多様性条約を中心とする交渉状況およびその中での日本の主張」、「全般的な日中間の経済関係およびその中での環境・省エネ」、「気候変動の次期枠組みに関する交渉の現状と日本の立場」、「対中ODAと環境・省エネ対策」の4テーマに分かれた。来日直前に名古屋で開催されたCOP10に関する内容や、対中ODAの今後についての質問など、各グループとも積極的に意見交換が行われた。また、環境省による「日本の環境行政の現状と環境省における環境協力に関する取り組みについて」のブリーフ、経済産業省による「日本の再生可能エネルギー」、「日本の省エネルギー政策」のブリーフを受け、わずかな休憩時間の間にも、講師を囲んで次々に質問をする姿が見られ、団員たちの関心の高さがうかがえた。そのほか、日本科学未来館、中央防波堤埋立処分場、葛西水再生センターなどを視察した。 その後、北九州市を訪問し、李幹傑団長以下代表者が北橋健治北九州市長を表敬訪問した。団員一同は、同市の環境政策についてレクチャーを受けたほか、エコタウンセンターやエコタウン内のリサイクル関連企業、石炭の高効率利用とゼロエミッション化をめざす「EAGLE」プロジェクトに取り組む電源開発(株)を視察した。同市は「環境モデル都市」として、低炭素社会づくりに向けて意欲的に取り組んでおり、エコタウンの運営方法や、進出企業への優遇政策の有無といった具体的な政策への質問が集中した。また、企業視察時には、中国への技術協力の可能性を確認するなど、今後の関係発展が期待される訪問となった。 一行は帰国前日に京都へ移動し、環境学習と環境保全活動の拠点である京エコロジーセンターを視察したほか、日本文化体験として清水寺を参観した。 訪日団は全ての視察プログラムを終了し、11月6日に関西国際空港より帰国の途についた。本訪日団の受け入れにご協力いただいた外務省をはじめとする受け入れ関係機関の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。 (総合交流部)