2008年度中国青年代表団第2陣が来日 公務員、科学技術、医療など各分野で交流
「2008日中青少年友好交流年」事業の一環として、7月23日から30日まで中国青年代表団第2陣(総団長=倪健・中華全国青年連合会主席助理)が来日した。 一行は大学生、科学技術、医療・衛生、エネルギー、環境、青年団体指導者、青年公務員、青少年(四川省中高校生)の各分野代表計327名で構成され、8分団に分かれて全国各地を訪れた。それぞれ専門分野に関する視察、講演に参加したほか、ホームステイや合宿セミナーなどを通じて、ともに各分野で日中の将来を担う青年同士、交流と相互理解を深めた。 同団の派遣は中華全国青年連合会、受け入れは当財団が担当し、大学生、科学技術、医療・衛生、エネルギー、環境の各コース実施は他団体にそれぞれ委託した。青年団体指導者分団27名、青年公務員分団23名、青少年分団31名の3コースは当財団が実施した。 倪健総団長が参加した青年団体指導者分団は、滞在2日目より大阪府へ移動し、府庁にて総団長ら代表者が三輪和夫副知事を表敬訪問したほか、行政担当者から府政や環境施策に関するレクチャーを受けた。また大阪府のお手配により、大阪府エコタウンやパナソニックセンター、日清オイリオ堺工場を視察。25日には日本三大祭りの一つである天神祭に招かれ、橋下徹知事にも接見の機会を与えられ、ともに楽しんだ。 さらに高槻市ではホームステイも経験。最初は戸惑い気味だった団員たちだが、日本の一般家庭で過ごした時間は忘れられない思い出となったようだ。
青年公務員分団は、神戸市を中心に視察・交流を行った。四川大地震を受け、中国の地方行政担当者に地震・防災に関する兵庫県の取り組みを理解してもらうプログラムを組んだ。一行は「人と防災未来センター」を視察して震災復興についての講義を受けたほか、兵庫県庁にて防災システムに関する講義を聴講するなど、阪神・淡路大震災から得た教訓と今後の災害対策に真剣に耳を傾けていた。
神戸市ではまた、兵庫県の国際関係を担当する青年公務員らと夕食をとりながらの意見交換会も実施。行政や教育事情などを話題に、終始活発かつ和やかな雰囲気で意見交換が行われた。
青少年分団は四川大地震の被災地の中高生で構成され、主に山梨県を訪問した。県庁では横内正明知事が、「姉妹省の被災は他人事ではない」と語り、震災犠牲者への哀悼と早期復興への期待を述べた。その後、山梨県立甲府西高等学校を訪れて学校交流を行ったほか、日本の高校生とともに富士吉田市立青少年センターに宿泊。肉親や家を無くして心に傷を負った生徒たちも、夜はキャンプファイヤーをともに囲んで笑顔で盛り上がった。
一行はさらに富士山や箱根を視察。「西湖いやしの里根場」では「練り香作り」も体験した。
東京では、讀賣テレビ放送株式会社の諏訪道彦エグゼクティブプロデューサーによる日本のテレビアニメに関するセミナーに出席。質疑応答では、「日本のアニメ作品が正規のルートで中国に紹介される為にはどうすべきか」等の質問が飛び出した。終了後は講師にサインを求めたり、会場となった東京アニメセンター内に並ぶアニメグッズに興味を示すなど、生徒たちは子供らしい姿を見せた。
大学生分団は、山梨、京都、千葉に分かれ、各地で地元青年と合宿セミナーやスポーツ交流を行った。科学技術分団は、大阪府を中心に訪問。大阪商工会議所や大阪府庁、大阪市役所を表敬訪問したほか、大阪府立大学で教員・学生と討論会を行うなど、実り多い時間を過ごした。医療・衛生分団は山梨県を訪れ、乳児検診やリハビリテーションの現場などを見学。団員らは熱心な質問を投げかけ、高い関心を示していた。
各分団はともに、7月27日には地方の訪問先から東京へ集合。28日午後には、青少年分団を除く全員が「日中平和友好条約締結30周年記念シンポジウム」へ揃って出席したほか、29日には代表者約30名が首相官邸へ福田康夫総理を表敬訪問した。福田総理は訪問した四川大地震の被災学生に対し、「一日も早い復興を願うとともに、日本政府として出来る限りのお手伝いをしたい。私たちが苦境にある友人と共にあることを忘れないで欲しい」と述べられた。
一行は8日間の日程を無事に終え、成田空港より30日、全員元気に帰国した。本代表団の受け入れにご協力下さった外務省、大阪府庁、兵庫県庁、山梨県庁、財団法人高槻市都市交流協会、関係団体、企業、訪問先学校、ホストファミリーの皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。
(総合交流部)