2008日本青少年代表団第2陣が訪中 北京で交流年閉幕式に参加
国家公務員・友好団体は発展著しい浙江省を視察 浙江コースには国家公務員12名と、日中青少年交流に貢献している友好団体から推薦された16名ほか、計37名が参加。本代表団の副団長も務める谷野作太郎副会長も同行し、行く先々で熱烈歓迎を受けた。 まず北京では、国家公務員が国家発展・改革委員会に表敬訪問し、環境問題に関する意見交換を行った。また、国家公務員と友好団体の2グループに分かれ、国家公務員は中国障害者芸術団を、友好団体は出稼ぎ労働者の子弟が通う北京行知新公民学校を訪問。社会的弱者をサポートする立場から、発展を続ける北京の違った一面を垣間見ることができた。 寧波市では、谷野副会長が同市党委員会の巴音朝魯書記と会見。同市と日本の歴史的・文化的つながりや、目覚ましい経済成長等について話が及び、同席した全団員も交えて1時間にわたり意見交換が行われた。また、中国最大の服装メーカー・雅戈爾(ヤンガー)集団や、中国有数の規模を誇る寧波港集団などを訪問。沿海部発展の一翼を担う経営者の言葉に、団員らは熱心にメモをとっていた。 杭州市では、浙江省青年連合会による歓送会が催され、団員全員で練習を重ねた歌や踊り、剣玉の技を披露するなど、大変盛り上がった。 地方自治体・教育・経済界分団は遼寧で多彩な交流 瀋陽コースは、地方自治体から推薦された24名、教育関係者22名、経済界29名ほか、合わせて82名が参加した。 経済界団員は、北京で中国商務部を表敬訪問。アジア局の宋耀明副局長より日中間の経済関係の歴史と今後の課題について説明を受け、質疑応答では昨今の金融危機対応などについて熱心に質問する姿がみられた。 また、教育関係者は中国教育部を表敬訪問し、中国の教育事情や日中間の教育交流事業について説明を聞いた後、学ぶ意欲を増進するための学習や、キャリア学習にはどう取り組んでいるかなどについて積極的に意見を交換し、大いに理解を深めた。 地方自治体分団は、瀋陽市の鋳造博物館で近代における鋳型鋳造技術の変遷を辿り、また、新農村建設の模範的モデルケースとも称され、広大な敷地に展開された温室水耕栽培の現場を参観。生産された多くの野菜が高値で日本に輸出されていることを知るや、団員達の中からは驚嘆の声が上がった。 帰国前日の大連市では、大連外国語学院を訪ね日本語科の学生達との懇談に花が咲き、学生達の積極的で鋭い質問に流石の社会人達も対応にたじたじとなる場面もあった。夕方開催された中華全国青年連合会、遼寧省青年連合会、大連市青年連合会共催の歓送交流会では、団員らが日本舞踊や沖縄三味線、サクソフォンを披露。団員全員の合唱では最後に「中日友好」の人文字をつくり、会場を沸かせた。 東京・神奈川の高校生は古都西安の歴史を体感 西安コースは東京都と神奈川県の高校生分団99名が参加した。 北京では北京市通州区潞河中学を訪問。歓迎会では団員がソーラン節や中国語の合唱を披露し、大変盛り上がった。 西安市では陝西師範大学付属中学を訪問し、同校生徒宅でホームステイを体験。翌日はホスト生徒とともに登校し、数グループに分かれて武術・音楽・美術などの授業に参加。学生たちの生き生きとした表情から、1泊2日ながら中身の濃い交流ができたことがうかがえた。また西安では西安外事学院も訪問。数時間ながら日本語専攻の大学生たちと親睦を深めた。他にも世界遺産である兵馬俑博物館や約2000年の歴史を持つ法門寺を参観。西安という日本とゆかりのある土地で、悠久の歴史を肌で感じ、中国に対する理解を深めた。最終日には陝西省青年連合会主催の歓送会が催され、最後は会場にいた日中の関係者全員で「朋友」を大合唱し、友情を誓った。 県の高校生が革命の地・南昌へ 南昌コースは、新潟、静岡、滋賀、愛媛の4県の高校生ら、203名が参加し、北京市と江西省南昌市で交流や参観を行った。 北京市では北京市懐柔区第一中学にて学校交流を行い、双方の高校生がパフォーマンスを披露しあった歓迎式典や記念撮影、校内見学を通じて、中国高校生と触れ合った。 南昌市では、南昌市第三中学で学校交流を行った後、同校生徒の家庭で1泊のホームステイを行った。翌日の解散式では、ホストファミリーと記念写真を撮るなどして、別れを惜しんだ。また、南昌大学の大学生と懇談したほか、南昌市社会福利院を訪問し、中国の社会福祉の一面を垣間見ることができた。市内参観では、八大山人記念館や滕王閣、江西省博物館を参観し、江西省の歴史文化を肌で感じ取っていた。江西省青年連合会主催の歓送夕食会には、江西師範大学の学生も参加し、出席者を引き込んだファッションショーパフォーマンスなどが行われ、会場は活気に満ちていた 天津では職業学校等を訪問 天津コースは青森県・岩手県・大阪府・兵庫県より各50名の高校生分団、計200名が参加し、北京市と天津市で交流を図った。 北京市京源中学の学校交流では、歓迎会で、中国の学生が踊り・伝統楽器演奏・合唱を、日本高校生が和太鼓・ヒップホップダンス・合唱・ソーラン節といった多彩なパフォーマンスを披露し、会場を盛り上げた。その後、科学実験や卓球など8科目の授業に参加し、互いに交流を深めた。
天津市では天津博物館などを参観した後、天津青年職業学院の生徒宅等でホームステイを行い、中国家庭の日常生活を体験した。それぞれ楽しい一夜を過ごしたようで、翌日は、ホストファミリーと一緒に笑顔で学院に集合した。また、天津外国語学院では、日本語学科の学生と座談会を行った。両国学生は生き生きとした表情で活発に議論を交わした。天津市青年連合会主催の歓送会では、日本高校生が中国側への感謝の気持ちを込めて合唱を披露し、会に花を添えた。 一行は24日、中国各地からそれぞれ無事に、クリスマス・年末ムード溢れる日本に帰国した。 各コースの団員からは、「中国の人が優しく、温かった」「日本人の中国イメージを改善させたい」「地域・経済格差といった中国の陰の部分の理解も深めることができた」などの感想が聞かれ、交流年のしめくくりの訪中団は大きな成果を上げたことがうかがえた。 本団の終了により、2008日中青少年友好交流年事業は相互訪問約5,000名を成功裡に達成した。今回の訪中団にご指導ご協力いただいた外務省、文部科学省、中華全国青年連合会、(財)日中経済協会、各県教育委員会(庁)、各県国際担当部門にお礼申し上げたい。日中青少年交流事業は今後も3年にわたり4,000名の往来が継続することになっており、当財団としては2009年も本事業の一層の発展を目指して努力する所存である。 (総合交流部)